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陶アートの民家カフェ

とうあーとのみんかかふぇ 

食べる松江エリア平成時代

 国道9号線から来待川に沿って来待温泉と大森の湯の間に民家カフェKIMACHI山花(さんか)がある。来待小学校の南側にあたる場所に陶製店名を取り付けた大きな看板が立っている。車が10台ぐらいは止まりそうな駐車場の奧の少し高い位置に民家カフェ。駐車場横の草むらから陶製モニュメントが出迎えてくれる。


 カフェに向かって階段を上がる途中にも可愛らしい陶製の看板がある。玄関横の庭にも陶製の三輪車などが置かれ、カフェというより陶製品のギャラリーかと思えてしまう。ガラガラと引き戸を開けると、土間や壁にも陶製品が使われている。
 さらに障子を開けて中に入ると、コーヒーの香りがして、やっとカフェらしいカウンターが見えてホッとする。「いらっしゃい。」と声をかけてくれたのは、ご主人の水谷靖さん。聞くところによると陶芸家が本業のようで、2008年にこの来待の地で民家カフェをオープンするまでは、飛騨の上宝村(現在は高山市)で作陶とギャラリーを運営しており、茶碗や壺などの陶器の他に地元の旅館などに向けた陶製のインテリアやオブジェ等を作っていたそうで、これまで目にした陶製品づくしにも納得した。
 その陶芸家による「手打ちそば山花」は800円。そばの上にはゴボウの天ぷらが乗っていてサラダ風の仕上げである。実はそれはゴボウの天ぷらではなく、しんなりしないようにカラッと作るお菓子だと言うことで、ほんのり甘い。いろいろ話していると、なんと作陶の技術でそばを作っていると言われた。練りは菊練りという基本が同じだが、まさか・・・。土もソバも粉だから、その扱い方には共通する部分があるらしい。近くの農産館で作ってもらったそば粉に自ら石臼粗挽きしたものをブレンドした特性そば粉。それを作陶の技を用いた手打ちの山花そばは、出雲そばでは見たことがない細麺である。細麺なのに歯ごたえはしっかりして技ありである。そんなこんなでメニューには無いが、陶芸の窯ではピザも焼くそうで、そこにも陶芸の技術が生きているらしい。また、陶芸と共通するのが「焼き上がりを心待ちにしながら楽しんでいるところ。」だそうだ。
 山花そばを堪能してコーヒー400円を注文した。グアテマラの有機コーヒーを取り寄せて、水谷さんがコーヒー豆を選別して炭火焼焙煎したもの。それを目の前でガリゴリと手挽きして、ごっつい陶製ドリッパーを経て仕上がったコーヒーはなんとも柔らかな味わいに仕上がっている。そして、そば粉のようかん350円をいただく。これにはぞば粉とくず粉と小豆が入っており、これを火にかけて練り上げるそうだが、これも粉と火の具合が肝心で相当な力が必要だという。里山でしずかにゆったりと深呼吸して作陶の技がふんだんに活かされた味わいを楽しんでいただきたい。
 逆にそば打ちから学んだ技を活かした陶器も試作中とのこと。また山花の名前の由来もあるようですので、聞いてみてくださいね。

民家カフェKIMACHI山花(さんか)
住所:松江市宍道町上来待127
電話:0852-66-1838
営業時間 10:00〜17:00
営業日:毎週金曜日・土曜日・日曜日




カフェカウンター

おしゃれなカフェカウンター

手打ちそば山花

手打ちそば山花

きな粉を乗せたそばようかん

きな粉を乗せたそばようかん

民家カフェの入り口外観

入ってびっくりの民家カフェ