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俵に詰まる幸せパンパン!俵まんぢう

たわらにつまるしあわせぱんぱん!たわらまんぢう 

知る食べる出雲エリア平成時代

 「出雲大社のお土産は?」と地元の人に尋ねると、ほぼ真っ先に帰ってくるのが「俵まんぢう」だ。「まんじゅう」ではなく“まんぢう”というところが、何か歴史的なものを感じさせる。その由来は「大国様が俵の上にいらっしゃるから」らしい。大国様の笑顔と大きな俵は見るだけでも気持ちを幸せにしてくれる。俵に詰まった思いとは?“俵まんぢう”に詰まった思いとは?その魅力に迫ってみた。


 「縁起物じゃない?」。
 都会からの観光客だろうか。若い女性達が神門通りの店先で大喜びしている。「俵には何かいいものが詰まっている」と思わせるふんわりした生地のまんじゅうに期待感が昂るようだ。
 大国様が鎮座されるその足元、パンパンにお米の詰まった俵が二つ。出雲大社の大国主神は、いずれの時期からか大国様と同一視されるようになっている。俵の上で堂々としている姿は、そのまま大国主神が豊作の神様と崇められていることを物語っている。
 出雲大社のお膝元で、明治の頃から“俵型まんじゅう”を作り続けているのが「俵まんぢう」の俵屋菓舗だ。創業は明治31年、勢留から西に100m、現在の大鳥居店で作られ販売されたのが最初である。現在は工場を浜山店に移し、神門通りにある神門店を含めて3店舗で展開している。
 ふわっとした俵の中にはお米ならぬ白あんが詰まっており、その味は昔からほとんど変わらず、大社で生まれ育った人ならば親子はもちろん、孫やひ孫の世代まで「俵まんぢう」話が盛り上がる。
 実は創業当初は赤あんだった“俵まんぢう”。直後に第80代出雲国造千家尊福公から「俵の中は白いお米が入っている。それにちなんで白あんにしたら、なおよかろう」との言葉を賜り即実践。独特の風味が功を奏し益々美味になり、助言した尊福公も大変満足されたのとこと。それ以来、“俵まんぢう”は姿そのままに今へと繋がっている。
 “俵まんぢう”の白あんは白インゲンとも称される“手亡豆”を使っている。白インゲンには大きく大福豆も含まれ、一般的な白あんは混合が多いようだが、“俵まんぢう”では手亡豆を100%使っているため、独特の風味を醸し出している。
 以前は全てが手作りだった生産も、焼きの工程は機械で自動化しており、1日平均二千個の生産能力となっている。しかし、白あん、生地作りは完全な職人技。その日の気温や湿度、素材の具合などを見ながら毎回人の手で練り上げられている。
 できたての熱々は生地もカリッとしており生地もホクホクで中の白あんも熱々。これは一般的には口にする事は出来ないが、お茶の間では電子レンジで50秒ぐらい温めれば熱々の“俵まんぢう”が味わえる。夏は冷蔵庫で冷やしてもいい。
 温泉地などへ行くと、温泉まんじゅうだらけで何処の物を買っていいのか分からなくなる。しかし出雲大社の俵型まんじゅうはここだけ。先代の目の付けどころがよかったのか、誰も真似する事無くここまできていることも興味深い。「大国様そのままでは失礼」と、俵をまんじゅうにした。でも小槌ではなく俵にしたのは何故だろうか。一口毎に謎が深まる楽しみもある。そんな“俵まんぢう”は地元地域でも愛されてきた。“俵まんぢう”には、伝統と地域の思いがパンパンに詰まっているのだった。

◯店舗情報
有限会社俵屋菓舗
浜山店  島根県出雲市浜町砂子田543-1 
     電話&FAX 0853-23-0020
     営業時間:8:30〜18:00(年中無休)駐車場あり 
大鳥居店 島根県出雲市大社町杵築東378-2 
     電話 0853-53-2123
     営業時間/8:00〜18:00(年中無休)駐車場2台 
     ※出雲大社前3叉路(勢留)から西へ約100メートル
神門店  島根県出雲市大社町杵築南771  電話 0853−53−4737
     営業時間/8:30〜17:30(年中無休)駐車場無し 
     ※一畑電車出雲大社駅から北へ150メートル




俵まんじゅう本店(浜山店)

日々俵まんぢうを産み出す浜山店

焼きたての俵まんぢう

出来たてはアッツアツのカリッカリ

出雲大社名物 俵まんぢう

出雲大社名物 俵まんぢう

俵まんぢう煎餅

“まんぢう”の6倍あるせんべいも大人気