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れきはくまつり

れきはくまつり 

知る体験する出雲エリア平成時代

古代出雲歴史博物館では、毎年春・夏・秋に「れきはくまつり」を開催しています。ここでは、夏に行われるそのイベントの中でも大変人気のある「勾玉づくり教室」と「藍染め体験」を紹介します。


1.勾玉づくり教室
勾玉はみなさんも良くご存知のものでしょう。神話では、天孫降臨の時に、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天照大神(あまてらすおおみかみ)から授けられたという三種の神器(鏡・勾玉・剣)の一つとされています。勾玉がどうして曲った形なのかは、元が動物の牙だとする説や、赤ちゃんが母親のお腹にいる時の形なんだとかいろいろな説があり、まだ良く分ってないのです。
教室では、次の手順で勾玉が作られます。

手順
1) 石に勾玉の形を描く
2) 石に小さな穴を開ける
3) 石を大ざっぱに削る
4) 石を勾玉の形にととのえる
5) 仕上げに勾玉を磨く
6) 勾玉の小さな穴にヒモを通して首からつるしてみる

勾玉づくりは意外に簡単なのですが、なんと言っても石を削るのは大変です。時間はおよそ1時間30分もかかります。石は白くて柔らかい蝋石(ろうせき)を使っていますが、それをブロックで、ゴシゴシ削ることは根気のいる作業なんです。でも、だんだん勾玉の曲った形に近づいて来ると嬉しくなって来て、疲れも気にならなくなるので不思議です。おおよそ形ができてきたら、今度は金のヤスリで丁寧に形を整えていきます。良い形になったと思ったら、手で表面を触って、凸凹があまり無いように感じたら仕上げです。
仕上げは、番号が1000番の極めの細かい紙ヤスリを使い、水の中で磨きます。この時、手で勾玉を触りながら表面がツルツルしてきたかどうかを確かめながら磨きます。全体がツルツルした感じになったら、最後の仕上げは、なんとダンボール紙で、勾玉の表面をキュッキュッキュッと磨きます。こうすると勾玉表面がキラキラと輝きを増します。
最後に最初に開けた小さな穴にヒモを通して、首から下げて見てください。胸元で白くピカピカの大きな勾玉が光っているでしょう。


2.藍染め体験
藍染体験は、布を藍で染める体験です。絵柄を自分でつくるのですが、染め上がるまで分からないので、ヒヤヒヤ、ドキドキの体験となります。
ここでは、ハンカチまたは灯ろうを作ります。どちらも、四角い布を藍で染めるまでを紹介します。

手順
1) 四角い白い布に鉛筆で模様を描く
2) 染めて模様が出るようにヒモやゴムで固くしばる
3) 藍の液体に浸ける
4) 空気に触れさす
5) 水洗いして乾かす

今回の藍染は、絞り染めという方法で染めます。それは、白い布をねじってヒモやゴムで強くしばって、それを藍の液体に浸すと、その強くしばった部分には藍の液体が入って行かないので、白い布のまま残ることを利用した染め方です。
そのことを分かった上で、白く残す模様を考えてデザインを鉛筆で書きます。次に、その鉛筆で描いた部分が白く残るように、ねじったり、割りばしに巻きつけたり、割りばしで挟んだりして、ヒモやゴムできつく締めて藍の液体が染み込まないようにしておきます。
そうした四角い布を一度水に濡らしてから藍の液体に沈めます。体験者の中から選ばれた染色沈め役の人が、防水手袋をして沈めた布を引き上げて、可能な限り広げて行きます。これは、布に染みた藍が空気と触れて酸化することで初めて布に色が染まるのだそうです。藍から布が引き上げられた時には薄い緑色なのに、見ているうちに青く、さらに深い青にと変色していくのです。そして驚いたことに藍の液体の中では、なんと黄色に染まっているんだとか。それが空気に触れて青色になるなんてね、びっくり。
 こうやって3回ほど藍から上げて広げてを繰り返したら、野外に持ち出して、しばってあったヒモやゴムをほどいて、布を広げます。おお、模様が付いているって感動ものです。その布をヒラヒラとしばらく空気に触れさせて、しっかり染め上げます。
 これを水に付けると、模様はさらにくっきりと白色がはっきりして、青も透き通るような青色になるので、美しさが倍増した感じです。一生の宝物になりそう。
 灯ろうを作る人は、その布を灯ろうの木枠に取りつけるとできあがり。灯ろうの場合は、白い部分が多い方が灯りを入れた時に光が漏れ出て周りをほど良く照らすことができますよ。
 藍染め体験をもう一度してみたいと言う方もあって、この面白みにはまったんでしょうね。




勾玉にする石をコンクリートブロックやヤスリで削る

削られて勾玉らしくなった蝋石

絞った布を籠に入れ藍の中に浸けているところ

布を藍の液体に浸けてもらう

藍で染まった濃淡が美しい模様となった布

できあがった素敵な藍染めの布

子どもの参加者が藍染めを手にして空気に晒しているところ

空気にふれて藍の色がくっきりする