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木綿街道の可愛らしいCafeことん

もめんかいどうのかわいらしいかふぇことん 

食べる出雲エリア平成時代

朝日のまぶしい光が降って来る静かな白壁の通り木綿街道。出雲市平田町の古き香りを残す500メートルほどの通りには、今でも往時のにぎわいを感じさせる醤油を醸造している店が3軒もある上、造り酒屋も1軒あるのだ。それらに並んで300年前の製法で甘い「生姜糖」を生みだすお店も大きな木の看板を掲げて元気に営業している。


そんな通りにある築約100年の民家をカフェとして再生したのが「Cafeことん」である。日曜日の朝、カメラを携えた中年夫婦、若い男女、女性の友達連れなど次々と店内に吸い込まれていく。私も黒くて太くて重そうな梁の下でメニューに目を落とす。おやおや生姜ですか?出西(しゅっさい)しょうがカレー、バナナジンジャーパイ、ホットジンジャー、ホットミルクジンジャーと並んでいる。ではでは、出西しょうがカレー700円を頼みましょう。
朝日が店の奥の窓の下を流れる船川に反射して、店内の天井をゆらゆらとゆらめいている。店内の灯りや一輪差しは小さく、そういえば椅子も可愛らしい。お客さんは皆、思い思いに会話を楽しみ、そのこじんまりとした店の居心地を味わっている。
 出西しょうがカレーが運ばれてきた。カレーらしくない香りが立つ。口に含むとほんのり生姜の香りが広がりピリッと辛い。飛び上がるってほどではないが、汗が出てくる。それにしてもインド由来のカレーの雰囲気は無く、生姜ベースの和風カレーではないかと聞くと、調理を担当している木綿街道振興会事務局の平井さん曰く「出西生姜の味わいを活かすために、生姜に合うようにスパイスを調整しています。」とのこと。だから生粋の出西しょうがカレーに仕上がっているのだろう。
この出西しょうがは、この木綿街道から南へ8キロメートルほどのところにある同じ出雲市の斐川町出西(ひかわちょうしゅっさい)というところで生産される生姜を指している。この出西しょうがは、親指大に株別れしてつながっている小ショウガで、普通のショウガに見られる堅い繊維質はほとんどなく、ピリッとした強烈な辛みに上品な香りが特徴である。Cafeことんで使う出西しょうがは近くの来間屋生姜糖本舗から分けてもらっている。実はこのお店、この木綿街道の歴史・文化や暮らしぶりを守って、まちづくりをしていこうという木綿街道振興会が企画・運営しているカフェだ。来間屋生姜糖本舗も醬油屋さんも造り酒屋さんもみんな仲間だから、しばらく見ていると、いろいろな人が手伝いにやってくる。
 頼んだコーヒー(350円)はブレンド#129という、斐川町の自家焙煎珈琲店「はぜ屋」の豆だそうだ。まろやかだがほんの少し深い味わいとなっている。
 続いて、地元野菜たっぷりミネストローネ(700円)も頼んだ。これにはトーストが付いているので、ミネストローネをくぐらせて一口。次は味噌マーガリン?いやいや味噌クリームチーズでトーストを一口(?こういう意味でしょうか)。これが病みつきになりそうな熟成された発酵の旨味。聞いてみるとこの味噌のようなものは、3年仕込み醤油を再度麹に出会わせて作った醤油こうじということだ。小さいが和食の威力を感じた。帰りがけに木桶で醬油を作っている岡茂一郎商店で、醬油こうじ小瓶(500円)を買ったのは言うまでもない。
このCafeことんは、二階にも客席があって、こちらは屋根裏部屋風のさらにこじんまりした静かな空間で、通りを格子越しに見下ろせる場所で本を読んでいる人が居た。
 Cafeことんの”ことん”は、フランス語で綿という意味だそうだ。白い綿の実は小さいけれど、とてもやわらかい。木綿街道を歩けば、そんな綿の実がここかしこに飾られているのを見るでしょう。




大きなガラス戸が3枚並んだ玄関は明るい

玄関から奥の川に面した窓が良く見える

店内の天井は太く黒い梁がむき出しである

川に面した広い窓からの光が広がる店内

パンに乗せた白いクリームチーズと醬油こうじ

パンの上で出あったチーズと醬油こうじ

ミネストローネスープにはクリームチーズと醬油こうじ和えと小倉あん

野菜たっぷりのミネストローネのセット