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出雲大社に並ぶ磐座とベジカフェ

いずもたいしゃにならぶいわくらとべじかふぇ 

見る知る食べる出雲エリア平成時代

 出雲大社の銅鳥居から東へ約500メートル、静かな社家通りを進み、真名井の清水の2軒隣りに「ベジカフェ+ギャラリーまないな」はある。訪れたのは5月新緑の頃。弥山の麓の田植えの終わったばかりの田んぼの水がキラキラしている。田んぼの向こうに古代出雲歴史博物館の屋根が長く横たわって見え、うぐいすの鳴き声も聞こえてくる。


 道から階段をあがると、小さな石が置かれてあって、進む左手に田んぼの景色を楽しめる丸太の椅子が並んだ展望デッキがある。その奥に目をやると軒下に太い薪が積まれた築100年の古民家がある。窓は開け放たれていて、中から話し声が聞こえてくる。午後3時を回った頃であるが3組の客があって、それぞれに話がはずんでいる様子である。

 玄関で靴を脱ぎ、丸太切った木を踏んで上がる。店内のイスやテーブルは様々な形と色で、板の間もあれば畳の間もあって、床の間も神棚もある。神棚のあるカフェって初めてだなあと思いながら、出雲大社らしい雰囲気の中で注文したのは、まないなプレートと呼ばれるランチセットである。薪を見下ろす場所で、小さな丸テーブルを伴う白いイスに腰掛けて庭に目をやると、松の木などの庭木の下にローズマリーやミントなどのハーブが茂っている。

 まないなプレート972円が来た。スナップエンドウと三角揚げのトマトソース煮、セリと金時豆のサラダなどに、酵素玄米ご飯と味噌汁が付いている。ベジタブルテーストのセットとなっていて、特に三角揚げのトマトソース煮は、三角揚げの油のためだと思うが口に入れると肉を食べているように錯覚する一品。トマトの酸味が効いて美味しくいただいた。色の濃い玄米ご飯は柔らかく炊いてあって食べやすい。テーブルに置かれた水を入れたボトルにはローズマリーの葉が小さな気泡を光らせて涼しそうにしている。水はほんのりさわやかである。

 こんな一品を作っているのは、店主である須田さんの奥さんである。須田さん夫妻は出雲大社の大遷宮を契機に県外から移住して来た。出雲大社から北島国造館、命主社(いのちぬしのやしろ)、真名井の清水と続く社家通りの先にあって、田んぼが開けた場所のこの家が気に入って引っ越して来たそうである。出雲地方は海も山も湖も近くにあって、魚や海藻などの海の幸から山菜などの山の幸、ブドウなどの果物なども豊富にある。それにこの家では、出雲大社の祭礼の日などには笛や太鼓の音が聞こえてくるそうで、そうしたこと全てが気に行っており、とても満足しているとのことだ。提供される食事は地元の野菜中心でオーガニックな材料を地元の方を通して入れており、全粒粉小麦のパンは神門通りにあるパン屋さん、オーガニックコーヒー(オリジナルブレンド)432円は浜田のコヒー屋さんの特別製造だそうだ。

 店内には他にご主人の撮られた世界の巨石を紹介する展示室もあって、巨石と人間の関係を知ることができる。この出雲地方には巨石を磐座(いわくら)、磐境(いわさか)として祀ったところが数多くあり、「まないな」の近くにも、命主社の後方30mほど、竹林の向こうにどっしりとした巨岩が鎮座している。この岩の周囲から重要文化財の銅戈(どうか)と硬玉製勾玉(こうぎょくせいまがたま)が発見されており、この巨岩が御神体だったのではないか、とも言われている。また、「まないな」から700メートルほど西に行くと出雲井神社があるが、この社の裏にも大岩が鎮座している。また「なまいな」では、世界の巨石を撮影してきて巨石ハンターの異名を持つ須田さんの巨石ツアーなども開催されている。

 「まないな」に来店されるお客さんの9割が地元の人たちとのこと、帰り際に庭を眺めている女性に声をかけたら、お二人とも地元の方でお友達同士。いつも食べている様な料理をこんな調理方法もあるのかと感心したり、庭の手入れされたハーブの様子や店内の調度品などに小さな発見をするのを楽しんでいる、とのこと。少し普段と違うお洒落感がありつつ、近くの親戚の家に来ている様でもあって、つい落ち着いてしまって、のんびりしてしまうらしい。

べジカフェ+ギャラリーまないな
営業:9:00-17:00
定休日:火・水・木
(急なお休みの時もあり、下記のFacebookでチェックください。)
駐車場:3台
住所:出雲市大社町杵築東7
電話:0853-53-5560
Facebook:https://www.facebook.com/izumo.manai.7/




平屋の古民家で焚き木が積んである

築100年の古民家

冬は寒いそうで店はお休みされます

出雲の空気が店内を流れてゆく

水の入った瓶にはハーブの気泡が光っている

まないなプレートはフレッシュ

三角形の滑らかなおにぎりのような形をした大岩である

命主社の奥に鎮座する磐座