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「阿礼」で過ごす、古代のとき

あれいですごす、こだいのとき 

見る知る歴博を見学出雲エリア

まるで自然のなかにいるかのような開放感を味わえるのが、カフェ「阿礼(あれい)」。心地よさの秘密は空間だけではなく、古代と同じ、自然の恵みを大切に作られるメニューによるもの。食事と一緒に、ゆっくりとした時間も楽しもう。


まるで自然のなかにいるかのような開放感を味わえるのが、カフェ「阿礼(あれい)」。心地よさの秘密は空間だけではなく、古代と同じ、自然の恵ミュージアムショップのすぐ横に2階へと続く階段があり、わきにカフェの看板が出ている。「阿礼」という店の名前に誘われて上がってみると、壁のない開放的な空間が目の前に広がった。高い天井と、大きなガラス張りの窓の外には北山が見えて、なんとも気持ちよい。「いらっしゃいませ」という声を聞きながら、メニューに目を通すと、「古代米入り十六島(うっぷるい)海苔おにぎり」「古代米入りシフォンケーキ」などほかでは見かけないメニューがずらり。なかから「古代米入り薬膳カレー」と「ジンジャエール」を注文し、もう一度メニューを眺めると「蘇(そ)」という初めて見る名前がある。「蘇は、牛乳を時間をかけて煮詰めた、古代のチーズのようなもので、1リットルの牛乳から握りこぶし程度の量しか作れません」そう説明してくださったのは、「阿礼」を運営している有限会社フルール代表取締役の藤原久子さん。「牛乳は県内の雲南(うんなん)市と邑智(おおち)郡の2カ所から仕入れています。出雲・石見など地域の枠にとらわれず、県内全域の食材を一緒に調理することにこだわりました」。それにしても握りこぶし程度しか作れないなんて!思わず自分の手でグーを作って固まった。ますます気になるが、残念ながらこれ以上は食べきれない。グーして固まった姿はよほど残念そうに見えたのか、隣のテーブルに座っている年配の女性が声をかけてくださった。聞けば、近くの日御碕(ひのみさき)に住んでいて、古代出雲歴博がオープンするのを楽しみにしていたそうだ。「今はすべてが早い時代。ゆっくりしていた昔が見られて懐かしい」そう言ってにっこり笑った。時間を忘れてゆっくり語らっていると、料理が運ばれてきた。古代米入り薬膳カレーはごはんがうっすら紫に色づき、ルウは体によさそうな黄色系で美しい。口に入れると、最初にやさしい甘味がひろがり、徐々にいい辛さがやってくる。古代人が口にしていた古代米。同じものを食べながら、昔に思いをはせる。ジンジャエールは、生の生姜が使われていて、自分で仕上げて飲むという遊び心があるもの。でき上がりの自然な黄っぽい色にみとれてしまう。紫も黄色も、自然の恵みからきた色。古代人はその色を見ながら、感謝の気持ちでいただいていたのだろうか。「生産者とのコミュニケーションを大切にしている」という藤原さんの言葉を思い出した。隣のテーブルではさきほどの女性が二人で楽しそうにおにぎりを食べている。私も次回は大切な人たちを誘ってこよう。手でグーを作って、今度はニヤニヤしている。肝心の展示を見忘れるくらい喋りたおしちゃおうか。「阿礼」ならそんな時間を過ごせそう。





風土記の庭を眺めながら、古代のひととき

人との縁で集まった、島根県産の食品たち

自然の恵み、古代米入り薬膳カレー

食後は、3階の展望テラスへどうぞ