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マルカフェの愉しみ

まるかふぇのたのしみ 

見る知る食べる出雲エリア平成時代

地上約3メートル、古代出雲歴史博物館の広大な庭園を眺めながら、おいしい食事やコーヒーが味わえる場所がある。そこは、maru cafe(以後、マルカフェ)。博物館の2階、空中に浮かぶような空間で、古代出雲にタイムスリップしたかのようにゆったりと時間が流れます。


店長お勧めのメニューを注文して座ったのは、目の前に山々が広がる北側のテーブル。そこから見える景色の左手奥の青々とした山々と手前の林の間に出雲大社はあるそうです。このカフェ、周囲の壁は、全てガラスとなっていて、どこに座っても周りの景色がパノラマで楽しめるところ。

頼んだランチが運ばれて来て、ガラスのテーブルに置かれました。しまね和牛のカレー、サラダ付きで1,200円。男性のお客様に人気だそう。和牛肉も柔らかく、最初の一口は少し辛さを感じるが、慣れると甘口と思えるような深い味わいで、パプリカやナスもその味と彩りを添えています。ご飯は、少し赤飯を思わせる色合いであるけれど、白米に赤米と黒米が混ぜてあり、赤米の色がほんのりと出るらしい。白米の中にそれより小さい粒が点々とあって、濃い色が黒米、薄い色が赤米なんだとか。

カレーに続いて、出雲名物をいただきました。ぜんざいです。焼いたお餅が入っていて、熱々のうちにお餅を箸で切り分けていただくもの。または、少し冷めてから口と箸の間で伸びるお餅を楽しむ食べ方もあります。上にちょこんと乗った甘栗、お餅のうっすらとした焼けコゲも味わいになっていました。ぜんざいは、出雲の神在月のお餅を神在餅(じんざいもち)と呼んだのが、「ぜんざい」に訛ったといういわれがあります。ぜんざいは650円。

もう一品紹介しましょう。抹茶パフェ700円です。高さ20数センチの細長いグラスに下からフレーク、抹茶ゼリー、小豆あん、抹茶ゼリーがソフトクリームに包まれて層状に積み上がっていて、その上に乗るのは、白玉だんご、くり、サクランボ、小豆あん。さあどれから食べようかと迷いますけどね。抹茶ゼリーがあっさり味なので、最後まで美味しく食べ進められて、なんとフレークも少し甘くて、これ口直しかな?と思えるすっきりとした食べ納めとなりました。

先のしまね和牛カレーは男性好みでしたが、さて女性は、と聞くと。女性がよく食べられるのは、季節で変わるmaruランチと博物館の展示にちなんで創作する企画メニューだそうです。取材した時の企画メニューは「火山オムライス」。これがよく出るとのこと。店内に貼られた写真を見ると、ドロっとした卵の上からお手製の赤いケチャップが溶岩として流れて、見事な火山噴火。お店に入ったら企画メニューのチェックも忘れずに。

さて、ガラスの外の景色に目を戻すと、なだらかで平らな庭園が広がります。これは、出雲平野をイメージしたもの。この庭園には、奈良時代の地誌『出雲国風土記』に語られる植物が植えられ、古代出雲の原風景をイメージさせています。博物館の茶色の外壁は鉄でできていて、古代から続くたたら製鉄をイメージしているそうです。他にも葉の形がハート形の桂の木の並木道や、出雲神話に因んだうさぎの石像が点在しています。出雲大社へはこの庭園を通って行けますが、小路には出雲国風土記の代表的な一文が暗号のように刻まれ・・・解読できるでしょうか。マルカフェでゆっくりくつろいだ後は、庭園散策にでかけてみては。

営業時間(店休日は博物館の休館日に準ずる)
9:30〜17:00(ラストオーダー16:30)
電話:0853-53-8600(博物館の代表番号)




ガラス越しの庭園を背景にした抹茶パフェ

庭園を食べる気分の抹茶パフェ

大きくて丸いお皿に盛られた和牛カレーと野菜

人気のしまね和牛カレー

カフェから見下ろす広々とした庭園

店内から楽しめる出雲の景色 

ぜんざい、塩こんぶ、出雲ばんちゃがセットになっている

栗がのる出雲名物ぜんざい