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古代出雲歴史博物館 シアターリニューアル 第一章 サクラ散る

こだいいずもれきしはくぶつかん しあたーりにゅーある だいいっしょう さくらちる 

知る体験する出雲エリア平成時代

平成23年、古代出雲歴史博物館開館5周年へ向けてひとつのプロジェクトがこっそりと、ほんとうにこっそりと進行していた。それは博物館の目玉のひとつ「神話シアター」の新コンテンツの作成である!これから新規コンテンツ作成までの苦難?の道のりをネタバレにならない程度に紹介していこう。


神在月の晦日、我々は県内某所へ集まった。我々の目的は新規コンテンツを撮影するにふさわしい場所の捜索、いわゆるロケハンというやつである。
事前に島根県内の神話にゆかりある山野河海を調査していたため、候補地の選定は順調に進んでいった。

その順風満帆ぶりに我々は安心しきっていた。その時、事件は起きたのである。ある川沿い撮影候補地へやってきた時であった。

監督「このサクラ並木のところを歩いているシーンを撮りたいんですよね。」

演出「あぁ、いい雰囲気だねぇ。ここはいい感じだねぇ〜。」

ロケには半分遠足気分でカメラ片手に同行し(フィクションですがっ!)、好きに写真を撮っている(あくまでも仕事用ですっ!)だけの男が口をひらいた。

 男 「サクラはソメイヨシノですよねぇ。だったらNGです・・・」

 監督「どうしてですか?いい感じじゃないですかぁ〜」

 男 「残念ながら、ソメイヨシノはこの時代に存在していないんです・・・」

 演出「あぁ〜、そっか〜・・・」


衝撃の事実が発覚!!ソメイヨシノは江戸時代に品種改良によって作り出された種だったのだ。リアリティを追求する我々としては、江戸時代以前の神話が舞台ではソメイヨシノを撮すことはできない。

我々は後日、あらためて候補地の捜索を行うこととした。後日談ではあるが、島根県の川沿いの並木はほとんどがソメイヨシノで、新たな候補地の選定は難航を極めたのであった。

第二章へつづく




何かが潜んでいそうな淵

残念だったサクラ並木

県内某神社にある神木

神々しい某神社境内