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古代出雲歴史博物館 シアターリニューアル秘話 最終章 ねたバラす

こだいいずもれきしはくぶつかん しあたーりにゅーあるひわ さいしゅうしょう ねたばらす 

知る体験する出雲エリア平成時代

いよいよ、新規シアターコンテンツ製作秘話も最終章を迎えることとなった。今回は、若干のネタバレも含むが、この映像の核ともいえるCGを担当していただいた「ナナイロ」さんに秘話を語ってもらうことにしよう。


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男:「ナナイロさん、まずは歴博の無茶ぶりにお応えいただきまして、ありがとうございます。一番、ご苦労なさった点はどんなところですか?」

ナナイロ(以下・ナ):「ヤマタノオロチを制作するにあたってまずオロチのイメージ図、特徴を教えていただき、そこからイメージを膨らませ制作を始めました。
 
しかし参考となるイメージ図は首もしっぽも一つしかないものであったため、コンピュータで制作をする前にスケッチを描いて全体のフォルムを調整し、イメージを固めました。」

男:「なるほど、歴博は龍のイメージ図だけ渡して、ヤマタノオロチを製作しろと言ってきたわけですね。やぁ、聞きしにまさる無茶ぶりですなぁ。」

ナ:「そのスケッチを元に形を作るモデリング作業を開始。
この時に使用したソフトウェアはZBrushというCGの本場ハリウッドでも使われている最先端のソフトウェアです。」

男:「おぉ〜!本場ハリウッドでも使用される最先端のソフトウェアで作成したCGを神話シアターの新規映像で見ることができるわけですね。他にどんな点
に気をつかわれましたか?」

ナ:「モデリングをする上で、ギラギラした丸い目、鋭い剣のような牙、ひらひらとなびく真っ赤な舌などオロチの印象づけるものを特に意識し、制作を進めていきました。

その他、顔のフォルム、表情に力を入れ、蛇やワニ、イグアナ、トカゲなどの爬虫類を重点的に参考にし、皺のつき方、鱗の流れなど細かいディティールを詰めていくことで迫力あるヤマタノオロチに仕上げました。さらに迫力を出すだけでなく、目には人間の黒目部分を加工したものを貼りつけることで、人間らしさを表現、角は先端を光らすことで神々しさを表現しました。」

男:「それは、演出家のオロチの顔に人間らしさをという無茶な要望にお応えいただいた点ですね。では、アニメーションについてはどうでしたか?」

ナ:「アニメーション作業に関して苦労した点は、8本の首と尾が個別の動きをすること、場面に合わせた演技をすること、スサノオノミコトを演じた役者さんとの合成作業の3点です。

中でも役者さんとの合成作業は役者さんの動きに合わせてヤマタノオロチに演技を付けなければいけないため特に難しかったです。
さらに演出上、制作したモデルだけでは作ることが不可能な箇所があったため、シーンに合わせて首だけのモデル、尾だけのモデルなどを別で作り、より自由度の高い表現、演出が出来るように工夫しました。

以上のように難しい作業の連続でしたが、役者さんがそこに何もないとは思えない程の迫真の演技だっため、それにオロチの動きを合わせることで迫力あるシーンを作ることが出来たと思います。」

男:「確かにスサノオノミコトの役者さんのアクションも激しかったですからねぇ。これは新規映像でも必見のシーンですね。それでは、さいごにシアターをご覧になるみなさんへ一言お願いします。」

ナ:「そんなスサノオノミコトとヤマタノオロチの生死をかけた大決戦を楽しんで見てもらえればと思います。」

男・ナ:「ありがとうございました。」


以上、神話シアターリニューアル秘話は終了である。いろいろとあったが7月20日より、ようやく公開となる。このリニューアル秘話の読者をはじめ、多くのみなさまに古代出雲歴史博物館の神話シアターにお越しいただき、ご覧になっていただきたい作品となったと思う。そして、それは制作に関わった一人としてはこの上ない喜びである。


最後に、ほんとうに最後のねたバラしであるが、今回の秘話のタイトルには共通する何かを織り込んでいる。みなさん気がついたであろうか。気づいていないあなたは、もう一度注意深くタイトルを確認していただきたい。ちょっとしたお遊びである。




「???の眼」

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