「日が沈む聖地出雲」の稲佐の浜から南には、国づくりの神が海の向こうの土地を引いて出雲国を作った時の綱の跡と伝わる、弓なりの長い砂浜が続いている。その南の端も雄大な夕日が見られることから、「日本の夕陽百選」に選出されている。それは、白砂の海岸線の広がる海に沈む夕陽である。そのため、わずか約3キロメートル余りの夕陽を楽しめる道の駅やバンガロー施設、レストラン、喫茶、ホテルなどがつらなっている。
最初の写真に見える赤いとんがり屋根の建物が「道の駅キララ多伎」、その左側後方の丘の上に宿泊施設の「見晴らしの丘公園キララコテージ」があり、さらにその左遠方に、風力発電施設の広がる海沿いにホテルやレストランなどが集積するコミューン「WINDY FARM ATMOSPHERE」が続いている。
「日本の夕陽百選」に選ばれている道の駅キララ多伎は白砂の砂浜を見おろす高台に建つ、コバルトブルーの海の見える道の駅として有名で、その北欧風の尖った赤い屋根の外観が青い海に映える。夏は海水浴の楽しめるビーチとしてたくさんの人で賑わう。お土産は、出雲市多伎町特産のいちじくを使った品々がたくさんある。道の駅の中には海鮮丼の店をはじめパン屋、ラーメン屋、喫茶店などが併設されている。
また、近くには「マリンタラソ多伎」があり、日本海の海水を温めた温泉で癒し効果のある海洋バスが楽しめる。中でも屋外バブルゾーンは夕陽を見ながら楽しむことができる。レストランからも海が一望できるが、オーシャンビューバルコニー付の客室を備えた宿泊施設でもある。
一方、キララ多伎の南側にあるキララコテージは、日本海を望む見晴らしの丘公園にありセンターハウス・コテージ6棟・ログハウス10棟・オートキャンプ場8サイト・バーベキューハウスを備えている。
そのキララコテージのさらに南側にあるWINDY FARM ATMOSPHEREは、風力発電事業を始め、その風車が立ち並ぶ中に飲食や宿泊の施設をオープンさせており、日本海の絶景と風を体感できる地域を生みだしている。中でもGARB CLIFF TERRACE IZUMOは、島根の地産を薪火料理で楽しめるイタリアンレストランとなっており、日本海の夕日を臨む総席数180席の大型レストラン&カフェとなっている。また、このレストランの地下にホテルIZUMO HOTEL THE CLIFFがあり、海岸の崖の中に作られた客室からは、日本海の24時間が楽しめる。
風力発電の風車のある丘の麓には、大型駐車場を併設する飲食物販の複合施設「出雲・湖陵パーキングエリア」があって、ハンバーガー、クレープ、アイスクリーム、コーヒーなどの専門店が入っている。その複合施設の海側の崖の上に大海原に飛び出しそうになるブランコが設置されていて、その「出雲 風のブランコ」の上で夕陽を楽しむことができる。
こんなに夕陽の名所なのだが、夕陽にちなむお土産などが無いのは不思議なことである。でも、道の駅キララ多伎にあった、特産品を使ったいちじくシャーベット(350円)の赤みがかったその姿が夕陽に似ていて、これを味わいながら夕陽鑑賞が楽しそうである。ちなみに、いちじくアイスクリーム(400円)もある。
施設がたくさんあって紹介しきれないが、それぞれネットで調べてもらえれば、その魅力が感じられるであろう。
ちなみに、夕陽は1年を通じてほとんど海に沈むが、道の駅キララ多伎からは、10月ごろから2月ごろまでの冬の間は陸に沈むようになる。(ライター 三代隆司)
この 出雲にある日本の夕陽百選 に関してGoogleMapで検索できる緯度経度を以下に示します。
道の駅キララ多伎 35.290711, 132.632386
キララコテージ 35.293788, 132.636620
マリンタラソ出雲 35.286935, 132.627727
WINDY FARM ATMOSPHERE 35.305613, 132.647113
GARB CLIFF TERRACE IZUMO 35.304157, 132.645864