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川跡駅から浜山公園北口駅へ

かわとえきからはまやまこうえんきたぐちえきへ 

食べる体験する出雲エリア平成時代

『川跡(かわと)駅』で大社方面へ向かう僕たちは、電車を乗り換える。旅はいよいよ後半。
終点の一つ手前『浜山公園北口駅』からはふたりが別行動。ゆかりさんは「島根ワイナリー」へ向かう。出雲のお土産がほとんど揃うここで、再発見をしたいということだ。
いっぽう僕は、移築された豪農屋敷が公開されている「出雲文化伝承館」に向かい、さらに出雲文化へと深入りする。


◎川跡駅で乗換え
電車は『川跡駅』に到着。僕たちが乗ってきた電車はこのまま『出雲市』へ。僕たちが乗ってきた電車は2番線。大社方面へ向かうには、1番線で待つ電車に乗り換えなければならない。乗換え時間は“1分”。事前に知っていたが、実際に出来るか不安だった。
「次は川跡駅です。出雲大社駅方面の方はお乗換えです」のアナウンスと同時に電車が減速。普通の揺れも激しいが、線路のポイントでの揺れはさらに激しくなる。僕とゆかりさんは必死に自転車を支えながら出口に向かう。
『川跡駅』のホームは意外と狭く、自転車を引っ張りながらの乗換えはなかなか難しい。駅長さんは笑いながら僕たちの乗換えを待ってくれている。その笑顔を確認してからは、落ち着きを取り戻し、無事に乗り換えることができた。

◎沿線の電車?
川跡駅を出た電車は一路終点の出雲大社へと向かう。この先はまっすぐな線路で、周囲は田畑が広がっている。ただ、最近では急速に住宅地化しているという。
『川跡駅』を出て最初の停車駅である『高浜駅』の手前で、進行方向左手に停車している2両編成の電車が確認できる。「ここは駅?」なんて思い、気になったので、旅のあとで聞いてみると、この車両はデハ1型3号と6号で、およそ70年前に製造され近年まで現役で活躍していた車両である。「さとがた保育園」の園長さんが、園児に喜んでもらおうと一畑電車から使わなくなった車両を引き取り、ここに置くようになったらしい。
 
◎島根ワイナリー、俵まんぢう 
『浜山公園北口駅』に到着。この駅の周りにはブドウのビニールハウスが広がっている。デラウェア種を生産しているということだ。
ゆかりさんは、このブドウを原料としたワインを生産、販売する「島根ワイナリー」へペダルをこぎ出した。ビニールハウスの間をおよそ15分で到着。自転車を停める専用スペースはなかったが、邪魔にならないように駐車場の端に停めてなかへ。
デラウェアベースのワインをはじめ、お好みにあわせた味のワインを試飲して選べるワインコーナー、お土産コーナーでは出雲のお土産のほとんどが揃っている。喉が渇いたゆかりさんは、ジュースの試飲をグイグイ飲んだという。
「おいしかったですよ」と一言。
このあと、僕と合流するために文化伝承館へ。しかし、その手前にある「俵まんぢう」へ立ち寄った。工場隣接のこの店舗は、店内でも召し上がれる。俵型の生地に白いアンコがよくあう、出雲大社帰りの参拝客が必ずお土産にする一箱だ。

◎出雲文化伝承館
『浜山公園北口』から15分。県立浜山公園の東側にある「出雲文化伝承館」は、斐川(ひかわ)町にあった豪農屋敷を現在の場所に移築。常設展は無料で公開している。独特の出雲建築がそのままの状態で残してある。広い玄関から見上げる天井の梁の造りは、どっしりとした歴史の重みを感じさせられる。客間から枯山水の庭を眺めると、「日本人でよかったぁ」と、心から思ってしまう。
隣接するお茶室「松籟(しょうらい)亭」では実際にお抹茶のサービスを受けることもできる。和菓子付で350円。早速いただくことにした。作法を知らない緊張感とお茶室の雰囲気で、自然と背筋が伸びる。最初にお菓子が用意される。少しずつ緊張しつつ、それをいただきお抹茶を待つ。次に別室で点てられたお抹茶。「確かこうでいいよなぁ」なんて思いながらいただく。終始緊張のままお茶席は無事に終了。
「結構なお点前でした」
出雲のお屋敷でお茶をいただく。出雲の文化にどっぷりと浸る貴重な体験だった。きっと、お茶の文化が伝わった江戸の時代から、この雰囲気は変わっていないのだろう。「文化伝承館」を出ると外は日が傾きかけていた。ちょうどそこへ「島根ワイナリー」に立ち寄ったゆかりさんが到着。時刻表を確認して『浜山公園北口駅』へと向かった。




3つの乗り場に電車がせいぞろいして、いっせいに乗換え

川跡駅

北山をバックに走る電車

北山をバックに走る電車

ぶどうのビニールハウスの中をのんびりと

ブドウ栽培の温室

歴史の重みを感じる出雲造り

出雲文化伝承館