酒好き、そば好き、肴(さかな)喰い。
「出雲そば」を出す店にはこの三拍子がそろっている。 もし、あなたがこのうちのひとつでもお好みであるならば、 この地に来てそれを見逃す手はないはずだ。 が、彼らは誇らしげに派手な看板や立派な門構えをしてはいない。 静かに流れる時間の中で、出会える時を待っている… といえば聞こえはいいが、酒飲みは敏感に「うまいもの」を探し出す。
寄り道だらけの道すがら、今宵もそこここの暖簾があなたを手招きしている。