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平成時代

島根県立古代出雲歴史博物館に関するコンテンツについて

銅鐸のシンボルマークのあるコンテンツは、島根県立古代出雲歴史博物館の展示または館内施設に関するコンテンツです。



古代朝酌市の一画の復元模型(1/1)

古代(奈良時代)の市場では、どのようなものが販売されていたのでしょうか。  入海(現在の中海・宍道湖)でとれた魚、山でとった動物、薬草をはじめ、農作業に用いる道具や土器なども販売されていたと考えられます。支払いにはお金も使っていたようですが、米や布などがお金のかわりをしていまし……

■常設展示

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島根県立古代出雲歴史博物館の展示資料・施設等

風土記って何ですか

風土記とは各地の情報がつまったガイドブック。奈良時代の政府が、地方を支配するために、色々な情報を集める必要があったのです。どんな山や川があるのか、どんな動物がいるのか、名物は何か、なぜある地名がついたのか。風土記は713年に中央政府が各地に命令して作らせ、本来なら60を超える風土……

■常設展示

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島根県立古代出雲歴史博物館の展示資料・施設等

昔の人はどこで買い物をしていたの?

市場です。奈良時代の出雲の市場の一つは松江市朝酌町にありました。そこでは、入海(現在の中海や宍道湖)や北ツ海(日本海)でとれた魚、山でとった動物、薬草などが集まりました、さらには、農作業で使う道具や土器なども売られていたと考えられます。

■常設展示

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島根県立古代出雲歴史博物館の展示資料・施設等

荒神谷遺跡発見前にも銅剣・銅鐸の一括埋納があった

1974年、松江市鹿島町の旧役場近くの志谷奥(しだにおく)遺跡から発見されました。耕作中に出土し、直後の聞き取りによって1つの穴に銅鐸2個と銅剣6本が1つの埋納坑に納められていたことがわかりました。このように異なる種類の青銅器が一括して埋納される例は、荒神谷遺跡でもみられ、出雲地……

■常設展示

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島根県立古代出雲歴史博物館の展示資料・施設等

松江しんじ湖温泉駅出発

旅の最初は、『松江しんじ湖温泉駅』を出発し宍道(しんじ)湖や沿線の風景を楽しみながら『一畑口駅』へ。最初は電車の“揺れ”に苦戦しつつも、窓の景色を楽しむ。宍道湖では“シジミ漁”をする数かずの船が、その風情を演出する。 駅の建物は古いものが多く、それすらも何かのセットのような雰囲……

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川跡駅から浜山公園北口駅へ

『川跡(かわと)駅』で大社方面へ向かう僕たちは、電車を乗り換える。旅はいよいよ後半。 終点の一つ手前『浜山公園北口駅』からはふたりが別行動。ゆかりさんは「島根ワイナリー」へ向かう。出雲のお土産がほとんど揃うここで、再発見をしたいということだ。 いっぽう僕は、移築された豪農屋敷……

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めざせ出雲の国の西のくに

国道9号線を行くこと、約半時間。市街地を抜けてレンタカーでの快適なドライブは続く。少し早めの休憩を。日本海が見えた頃、たどり着いたのはいちじくの街にある道の駅「キララ多伎(たき)」。海岸のカフェ。軽くおなかを満たしながら、一緒に出雲の時間を味わう。

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寄ってこ食べてこ日御碕

日御碕(ひのみさき)では新鮮な海産物も名物のひとつ。名物の代表選手、日御碕灯台の近くでは、その海産物を新鮮なまま、あるいはあれこれ加工した物が売られている。その場でぱくりと食べるのも楽しいけど、美味しい記憶を一緒に連れて帰るのも悪くない。旅が終わったあとも、美味しさと一緒に楽しか……

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そば酔譚〜肴はそばがき〜

「あの素朴な色と香りと独特な出汁の風味を、心の奥に潜んでいる少年のころの記憶を辿ってみたい」何気なく立ち寄った出雲そば屋でふとよぎったひらめきみたいなものだった。 松江市石橋町の「きがる」は松江城近くの、「昭和」を彷彿させる町並みにさりげなく暖簾を出していた。この町には名水「石……

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風は海から

神々の到来の地といわれる「稲佐の浜」から浜伝いにそぞろ歩く。路地裏探訪としゃれ込んで迷い込んだ小路の先に「いづもそば」と書かれた汐風になびく暖簾が目に入る。  昭和の、人々の願いを看板にした創業者の心根(こころね)が訪れるものの心を癒す。

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匠(たくみ)の技に吹き込まれた食材の命

 食材の生産地にひたすらこだわり、「中国山地蕎麦(そば)工房」とその店名に冠しているそば屋があると聞いていた。食材にこだわる店は多々あるが、それだけではさほど評判にはならないだろうと興味津々で暖簾(のれん)をくぐる。

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出西(しゅっさい)で出会ったおかげさま、いろいろ

謎多き遺跡めぐりで、おなかはペコペコに。斐川(ひかわ)町限定のカレーがあると聞き、道の駅「湯の川」に立ち寄った。そこで出会ったのは、ここでしか栽培できない不思議な生姜入りのカレーと素朴なお皿。カレーを堪能した後、お皿を手掛ける「出西窯」で、真摯に器作りに向き合う職人さんたちに出会……

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木と布の世界にいやされて

斐川(ひかわ)町には、自然の素材に命を吹き込む職人さんや作家さんが工房や美術館を構えている。風土に根ざして生まれた物や作品には、その地の良さが見えてくる。そこで、木工芸品を手がける「工房おかや木芸」さんと、和のキルト作家八幡垣(やわたがき)睦子さんの作品を展示した「出雲キルト美術……

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今宵は古代を食する一夜なり

旅のしめくくりは、古代の衣食住体験。神代のころから湧き出ていたといわれる斐川町の湯の川温泉を訪ねた。目指すは温泉旅館「松園(しょうえん)」さん。竪穴式住居で、海幸、川幸、山幸、田の幸が並ぶ古代食と荒神鍋に舌鼓。箸が進むほどに宴は盛り上がり、旅仲間も旅館のご主人もかけがえのない友と……

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ふらっと、居着きたくなる空間〜家具屋 Flat Style〜

「古民家で、家具の工房をしているらしい。」 聞きつけてやってきたのは、雨の似合う閑静(かんせい)な住宅街。 「家具屋 Flat Style(フラットスタイル)」さんの建物は、古さゆえの美しさがあり、それだけで心はずむ。 どのような思いで、手作り家具がうみ出されているんだろう……

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花咲くぜんざい談義

縁結びで知られる出雲市大社町の出雲大社。 正門前から大鳥居(おおとりい)に向かって伸びる「神門(しんもん)通り」の坂道で、ピタリと足がとまった。 そこは「日本ぜんざい学会壱号店」という名のぜんざい屋さん。 懐かしい町家風情と看板に記された「ぜんざい発祥の地出雲」の文字に心の……

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福神様のごほうび 「うず煮」

うず煮は、寒さ厳しい旧暦元旦、 福縁を授ける出雲大社の「福神祭」などで、 祭りを手伝う人たちにふるまわれる料理。 出雲大社の出雲国造(こくそう)家に代々伝わるおもてなしの味だ。 近年、町内の旅館や飲食店でもいただけるようになったと聞き、 さっそく、出雲市大社町の料亭を訪……

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古代からの贈り物 アースカラーの和菓子

古代出雲歴史博物館のショップで、おちょぼ口には嬉しい一口サイズのお饅頭(まんじゅう)を発見。その名は「古代米和菓子 黒米・赤米饅頭」。モチモチとした皮は古代米(といわれる赤米・黒米)が原材料で、ほんのり桜色と紫色。小豆の漉(つぶ)し餡(あん)と白餡のナチュラルな甘味にほっと和む……

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江戸時代から平成へ。愛され続ける伝統の味

出雲大社の門前町・出雲市大社町。町を代表するお使い物は?と地元の人に問えば、よく耳にするのは「高田屋さんの羊羹(ようかん)」の声。理由は贈っても贈られても嬉しい逸品だから、と。  地元でお墨付きの高田屋は創業180余年の老舗菓舗。一筋に追及された伝統の味は、数え切れないほどの人……

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白肌美人に寿ぎ色のメーキャップ

 鶴亀、松竹梅など縁起物をかたどったかまぼこ「祝いかまぼこ」は、島根県東部の出雲地方の結婚式の引き出物の代表格。出雲大社のお膝元出雲市大社町も祝いかまぼこ作りが盛んな町だ。寿ぎの味は祝福の証にお裾分けされてきた。優美な細工を施す職人技を訪ねて、町一番の老舗かまぼこ屋の暖簾をくぐっ……

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餅に恋する甘味処「大社門前いづも屋」

 縁結びを祈願して訪ねた出雲市大社町の出雲大社。参拝後に立ち寄った甘味処ですっかり餅に恋してしまった。きっかけはきな粉と黒蜜仕立ての一皿の串団子から。もちもちとした食感に魅かれ、とうとう餅メニューを全制覇。出雲地方の正月気分も味わった。縁結び祈願にあわせて餅肌のスイーツに会ってみ……

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大社名物「焼きそば」はいかが?

 出雲大社にお参りした後は、出雲そばに舌鼓を打ち、この地が発祥とされる“ぜんざい”で満腹になるのが定番コース。でも地元の人達はどうしているのだろうか?毎日そばってことはないだろう。  調べてみると、あるわあるわ地元の味。名付けて「大社飯」の面白さを探ってみる

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山岳信仰の聖地「大山」に妖怪出現!?

 伯耆富士「大山」とともに古くから信仰を集める天台宗の別格本山「大山寺」。その大山寺の分院「圓流院」が平成21年に再建。しかも百八体もの妖怪たちと賑やかに復活。はてさてその全容は?大山観光の新しい目玉になりそうな予感をはらんだ圓流院へ、いざ潜入!

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神聖なる須佐神社の大杉

出雲神話の人気者、スサノオノミコトを主祭神に、その奥方クシナダヒメ、さらに奥方の両親、アシナヅチとテナヅチを祀る、出雲市佐田町にある「須佐神社」。そんな著名な神々が鎮座ましまする須佐神社が、近年、パワースポットと謳われて女性を中心に大人気。しかしそこには、悲しき「木」の物語があっ……

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「ドラゴンの道」を爽快ドライブ

 出雲神話を訪ねたり、景色を楽しんだりと、各種ウォーキングコースが充実している島根県だが、実は、のんびりとドライブするのに適した風光明媚な道路が多いのも特徴。そこで今回は「ヤマタノオロチ」をキーワードに、雲南市から松江市まで、斐伊川を下る半日ドライブコースを紹介してみたい。

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美保関で港の古民家に泊まる

 美保関に古民家を改修して泊まれる場所ができたと聞いて、さっそく行って見た。一夜干しのイカが美味しい。ここは美保神社の諸手船神事など祭礼の町。また、半島の突端には白く輝く美しい灯台があり、隠岐に渡るには、この灯台を回り込むように日本海を行くところ。そんな海辺の港町に夜になって到着……

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My庵・山里カフェ

 松江市の南、市街からそう遠くない山間の忌部(いんべ)は熊山(くまやま)地区。車が一台通るほどの道でガードレールもないので、町から来た人はびっくりするという。そんな細い道を上がると茅葺きの農家が現れる。これなのかな、と思って近づくと、どうもここらしいっていう感じがすれば、それがギ……

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やすらぎは「縁の旅」の始まり

JR山陰本線「乃木駅」で下車し、茜色に染まった夕日を堪能してたどり着くのもよし、店を出て夕日を追いかけながら出雲路へと向かうもよし、情緒溢れる景観を心に焼き付けて「縁(えにし)の旅」はここから始まる。

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一つことに専念したそば屋の歴史

 旧JR大社駅の真ん前にある「手打ちそば本家大梶」は、地元の人々に愛される出雲そばの店である。この大社駅が1912年(明治45年)に開業したころに創業したらしい。しかし、当初は大梶旅館としてのスタートだった。出雲そば屋となるのは昭和28年である。

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そばを打つ手から生まれるカツ丼の味わい

 出雲そばのお店にもそば以外のメニューはある。多くの観光客が見向きもしないそれらのメニューだが、実は地元の人達にはよく知られていた。  そばの出汁を使う様々なメニューは地元で働く人達のお腹と心を満腹にしている。その代表格である丼ものに注目してみた。

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地元産食材で幕の内&カツカレー

 歴史博物館の正面にある「ビジネスホテル大社」。実はこここそ、「出雲そばだけじゃない」を実践するお店だった。宿泊もでき尚かつランチもやっているというこちらは、出雲そばをはじめ様々なメニューがある中、お勧めは “幕の内弁当”と“カツカレー”だと聞いた。

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風か柳か、松江の夜風

夜の繁華街東本町。その一角にある「橘屋そば店」は二つの顔を持つ。

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御碕のファストフードはぷりっぷり

 日本海が一望できる日御碕灯台へと足を向ける。道すがら、ちょっと小腹が空いたのだけれど、コンビニなど一切見当たらない。とりあえず売店には何かあるだろうと向かうその先にあったのは、シンプルながらもガッツリ食べ応えのある“御碕のファストフード”だった。

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ご縁あって「れきはくトライアングル」

子供たちが体をゆすって、手をヒラヒラさせる。舞台では、いわゆる「ゆるキャラ」が揺れ動いている。そんな姿が古代出雲歴史博物館のエントランスに出現していた。舞台で音楽を奏でるのは、玉木さん、飯塚(めしづか)さん、深田さんのトリオである。 この日の島根版ゆるキャラは「しまねっ子」と「……

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陶アートの民家カフェ

 国道9号線から来待川に沿って来待温泉と大森の湯の間に民家カフェKIMACHI山花(さんか)がある。来待小学校の南側にあたる場所に陶製店名を取り付けた大きな看板が立っている。車が10台ぐらいは止まりそうな駐車場の奧の少し高い位置に民家カフェ。駐車場横の草むらから陶製モニュメントが……

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武家屋敷で出雲そば

「武家屋敷で出雲そば」などと、当世流行(はやり)の「歴女(れきじょ)」でなくとも心曳かれるこの企み(たくらみ)。文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が愛した古都を心に刻み、はたまた「神々の集う月(神在月)」のあることを、そして「割子」「釜揚げ」、他所には無類の蕎麦の食し方のあるこ……

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夫婦円満祈願に黄泉比良坂!?

 男神イザナギと女神イザナミ夫妻の神話舞台であり、死者と生者を分かつ場所として知られる「黄泉比良坂」。なにやら畏怖めいた謂われの多い場所だが、この地ばかりでなく、イザナミを祀る古社にまで、死者にまつわる伝説が残される。しかし、本当に恐ろしげな場所なのだろうか?ここらでひとつ、新し……

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地域活性化の最強コンテンツ!?

 『島根半島四十二浦巡り』というものがあるのをご存じだろうか?なかんずく「いずもる」を好まれる趣向の方々であれば、知っておられる向きも多数おいでだろうが、ここはあえてビギナーモードで…つまり、観光気分のドライブモードで、ひとまず、鹿島町手結浦(たえのうら)の津上神社へ。

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時がゆっくり歩いている場所

〜築140年のCafeしろつめくさ〜  島根半島にあって、ウミネコも飛んでくるという大芦地区にギャラリー桜蔵(さくら)がある。その中に、これから紹介する「Cafeしろつめくさ」がある。建物は明治初頭に建てられたという納屋(なや)を改築したもので、高い天井を見上げると明治のころに……

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明暗の中にさまざまな居場所が

 昭和40年ごろ通りにぎっしり詰まった人波に押されて進むしかなかった土曜夜市。そのにぎわいの中心地だった出雲サンロード中町の、今では静かな通りにポッカリと空いた中町公園に面してnaka蔵はある。店主の昌子(しょうじ)さんも、あの土曜夜市の体験者、きっと大人の背中ばかりを見上げて歩……

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蕎麦は三たて肴は美味し

 出雲縁結び空港に客人を迎え「まずは出雲大社へ」と車を走らす。客人は十中八九「いずもそば」を御所望なさる。お口に合わぬ物を提供しては「出雲路」の始まりからつまずくこと必至ゆえ、客人が「出雲そば」への傾倒を如何ほどお持ちか気になるところ。幾度か経験値を積み重ねるうち巡り会ったのが此……

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俵に詰まる幸せパンパン!俵まんぢう

 「出雲大社のお土産は?」と地元の人に尋ねると、ほぼ真っ先に帰ってくるのが「俵まんぢう」だ。「まんじゅう」ではなく“まんぢう”というところが、何か歴史的なものを感じさせる。その由来は「大国様が俵の上にいらっしゃるから」らしい。大国様の笑顔と大きな俵は見るだけでも気持ちを幸せにして……

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ほんのり酢とネタが奏でるシンフォニー

 神門通りを出雲大社に向かって歩く。境内の手前に差し掛かると急な上り坂が待ち構えている。そのままお参りに向かうのもいいが、少し脇道に逸れてみる。団子屋さんの角を右に、東へ向かうと直ぐに見えたのが『やくも寿し』。大社さんのお膝元、お寿し屋さんのご主人には素敵な物語があった。

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古代出雲歴史博物館 シアターリニューアル 第一章 サクラ散る

平成23年、古代出雲歴史博物館開館5周年へ向けてひとつのプロジェクトがこっそりと、ほんとうにこっそりと進行していた。それは博物館の目玉のひとつ「神話シアター」の新コンテンツの作成である!これから新規コンテンツ作成までの苦難?の道のりをネタバレにならない程度に紹介していこう。

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バレンタイン直前企画!チョコっとあげたい勾玉ショコラづくり予行練習

どうも、コボレです。仕事の傍らで、古代出雲歴史博物館のメルマガをせっせと作成しています。 今回、特別プレゼンターとして、こちらの記事を作成してみました。

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古代出雲歴史博物館 シアターリニューアル 第二章 アシ凍る

年も押し迫った師走某日、我々はついに撮影初日を迎えることとなった。

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はじまるよ〜、れきはく紙芝居

はじまり、はじまり。 ある冬の日。 雲太くんと出雲ちゃんは、古代出雲歴史博物館にやって来ました。 (雲太)出雲ちゃん、今日は、博物館を探検しよう! (出雲)いいわよ、雲太くん!とっても楽しみっ。 こうして、中央ロビーへと入っていきました。 ロビーに明るい声が響くと……

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隠れ家のような異空間でいたい

 出雲市の塩冶(えんや)小学校の近く、今は住宅地となっているが、昔この周りは田んぼだったところだから、こんもりとした防風林があって、その内側に大きなクスの木を傘にした白壁の大きな蔵がある。そんなところに隠れ家のような「蔵カフェおもひで屋」はあって、1階はカフェ。2階はアトリエ兼ギ……

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人は時を旅する

 松江からJR山陰本線で25分。車中大橋川、中海と景観を満喫しながらかつて「はがねの町」として栄えた安来駅に降り立つ。この地に昭和25年創業の「出雲そばや」があると聞き及び、ノスタルジックな町並みを尋ね歩く。なまこ壁に設えられたあんどんには、勘亭流文字で「志ばらく」の屋号。その下……

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コンセプトは「健康」

 温泉に浸かり、萱葺き屋根の民家風レストランで囲炉裏(いろり)を囲んで蕎麦を食すなどとこの上もない贅沢。国道(9号線)からほんの僅か里山に入るロケーションもどこか心安らぐ。温泉、食事、スポーツセンター、農産館と欲張りな施設、町挙げての健康作りは地域密着型。「茶屋」と称するからには……

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お帰りなさいふる里へ

 出雲縁結び空港から車で3分は確かに出雲路の玄関。キャッチコピーの「お帰りなさいふる里へ」はその交通の便からと思いきや、二百余年の歴史を持つ古屋敷のたたずまいはまさに「ふる里」の感あり。落ち着いた店内も旅の疲れを癒(いや)すこと請け合いの懐古情緒満点。敷地内には製麺所、土産物、そ……

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カリッと海の味。これは“かまぼこ”です。

 「これはね、“かまぼこ”なんだよ」 目の前のスナック菓子をボリボリと食べながら、別所蒲鉾の竹並一人社長は話す。「出てくる形が違うだけでね、原料はかまぼこと同じだからね。そうだろ?」低い声に人懐っこい笑顔がアンバランスな竹並社長。大社海岸に近い場所に2つの工場を持つ別所蒲鉾の3……

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えっ?出雲そばを炒めるの?

 「出雲そばに飽きたらどうぞ」 大鳥居に程近い「大正庵」では10年前から“出雲そば炒め”をメニューとして出している。その名の通り、出雲そばを炒めたモノ。一般的な焼きそば風ではなく、汁気の多いのが特徴だ。  自前の手打ちそばをさっと茹で、冷水でしっかり締める。具はシメジとエノキ……

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古代出雲歴史博物館 シアターリニューアル 第三章 お湯ウメる

さて、筆者の怠慢により?!某漫画の連載のように間があいてしまったが、新規シアターコンテンツの制作秘話第三章である。

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古代出雲歴史博物館 シアターリニューアル 第四章 特効ツクシた名シーン

さて、不定期連載でお送りしている制作秘話第四章である。

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古代出雲歴史博物館 シアターリニューアル秘話 最終章 ねたバラす

いよいよ、新規シアターコンテンツ製作秘話も最終章を迎えることとなった。今回は、若干のネタバレも含むが、この映像の核ともいえるCGを担当していただいた「ナナイロ」さんに秘話を語ってもらうことにしよう。 ---

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大国主のヒメ、本命!?

大国主神には数多くの彼女がいた。というと、「えっまさか?」という人と「そうそう。」という人に大別される。今回は結構本命の彼女の話である。出雲市斐川町に御井神社という井戸を祀る神社がある。その井戸に湧く水は、大国主神の子どもの産湯となったものと伝えられ、安産の社として知られている。

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大国主から逃げ隠れたヒメ!?

出雲市平田町の口宇賀(くちうか)の地は、平田の町から日本海へ出る途中にある。バス停の口宇賀から500メートルほど歩くと人家と接して田んぼの中に宇賀神社がある。道が分からない場合は、土地の人に聞くのが一番だろう。

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大国主が、来る日も来る日も通ったヒメ!?

古事記に登場する大国主命の彼女たち、カムヤタテヒメ(コトシロヌシを産む)、ヌナカワヒメ(タケミナカタを産むと伝える)、ヤカミヒメ(キノマタノカミを産む)、他にもタキリビメ(宗像三女神の一)もいるのだが、正妻はスサノオノミコトの娘であるスセリビメ。

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出会いを“箸渡し”する縁結び箸で良いご縁を!

その所行に怒った天照大御神によって、高天原から出雲に追いやられたスサノヲ。肥の河の岸辺に佇んでいると何かが上流から流れてくるのが目に入った。掬い上げるとそれは箸だった。スサノヲは上流に人が住んでいると感じ、肥の河沿いに奥へと登っていく。

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だいこく様の小槌は“ご利益の御裾分け”!

「大きなふくろをかたにかけ〜♪」でおなじみのだいこく様。大俵の上にどっしりと、大きな袋を担いでニンマリと笑っている。その笑顔には誰もがほっこりした気持ちになるのでは?  だいこく様の右手には、“小槌”が握られており「振ると欲しい物が何でも出てくる」という言い伝え。そんな嬉しい神……

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歴博でカルメ焼きしましょ

古代出雲歴史博物館では、2013年3月10日開館6周年を迎えた「開館記念無料デー」新たな体験イベントとしてカルメ焼きをレパートリーに加えた。この写真はその日の様子です。

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一つ目の山全体がご神体?巨石信仰か?

松江から雲南市大東町へ向かい、大東町の真ん中あたりの上久野という所にタケミナカタノミコトが自らの荒ぶる魂を封印した大岩があると聞いて、出かけて見たのです。 おおあれだと山を見上げると大岩が露出している。あれが奥の院とすれば里宮の鎌倉神社があるはずだがと辺りを見回すと、こんもりと……

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スサノヲ夫婦の新居は和歌発祥の地

八雲山の中腹に大きな磐座(いわくら)の奥宮がある須我神社は、雲南市大東町にある。静謐な八雲山山中に高さ4メートルはあろうかという大岩の左となりに中ぐらいの岩があり、これがスサノヲノミコトと妻のイナタヒメとも言われている。

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雨乞いに応える石神パワー

島根半島の山中に地元では「たていわさん」と呼ばれる巨大な石を祀る神社があるというので行ってみた。場所は出雲市平田町で有名なお寺、一畑薬師の後方の山中、字名は庄部という所らしい。一畑電鉄の園駅から松江方面へ400メートルほどのところから左の山中へ向かい、道なりに6キロほど行くと、左……

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のんびりアリさんと共に、のんびり休日を

お店の中はアリのオブジェが点々としている。実物の蟻はセカセカしているが、こちらのアリは何となくのんびりとしている。店主の松谷ちどりさんとお話ししていると、その理由が理解できる。「ゆったり、マイペースな感じでやってます。お気軽にお立ち寄りいだければと思います」とちどりさん。ここ『ア……

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オオクニヌシの祖父母が祀られる国引きの地

今回訪れたのは、オオクニヌシノカミの祖父母が祀られているとされる長浜神社。主祭神は『出雲国風土記』の冒頭で、「国来国来(くにこ、くにこ)」と出雲の国を国引きして大きくした八束水臣津野命(ヤツカミヅオミツヌノミコト)。国引きした綱の跡と云われる園の長浜の一角にこの長浜神社はある。

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神々大集合、溢れる物語、縁切りも?

目的の佐太神社に日曜日の朝10時ごろに着いたら、境内は『出雲国風土記』の地を巡るツアーの一行で時ならぬ賑わいを見せていた。また午前中に子どもを連れて祈願する親子が5組ほどあり、またロマンスグレーのカップルや、カメラを下げた若いカップルも幾組か。この大社造りの3つの本殿が並び立つ壮……

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光り飛びちる神さま誕生の瞬間

暗い大きな洞穴をゆっくりと船が進む。すると右手上の方に白木の鳥居が見えた。ここが、この洞窟を生み出した金色に輝く弓矢の伝承とともに、佐太神社に祀られる佐太大神(さたのおおかみ)が生まれたところと伝わる。ここへやって来るには、松江市島根町の加賀の港から船が必要となる。

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ぶらりと入る“出雲ぜんざい餅”で御一服

出雲大社前の勢溜(せいだまり)に響く「いらっしゃいませー!出雲名物ぜんざいとぜんざいもちはいかがですかぁ」という売り子さん達の声。出雲大社をお参りした人達が、参道を登り切ると最初に耳に入ってくる。その方向に目をやると、大きな看板に「出雲ぜんざい餅」とある。

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キラリと光る黄金そば。さて、その由来は?

出雲大社外苑駐車場から南へ歩いて7分。大きな三叉路の西側に暖簾を下げているのが出雲そばの店「かねや」。中はお座敷とテーブル席が規律よく並んでいる。席は全てが4人掛け。お昼前には店の外には長く伸びる行列も、順番が来ると次々に、淡々とそれらの席に案内される。

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れきはくまつり

古代出雲歴史博物館では、毎年春・夏・秋に「れきはくまつり」を開催しています。ここでは、夏に行われるそのイベントの中でも大変人気のある「勾玉づくり教室」と「藍染め体験」を紹介します。

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あっちもこっちもダイコク様、大国様です

出雲大社の本殿に向って左後方に、主祭神であるオオクニヌシの「大国(だいこく)神像」が359体も展示された彰古館がある。本殿の姿が美しく望める場所であることもあって、大正3年(1914)に出雲大社の宝物館として造られたこの木造建築に目を留める人はほとんどいません。近づいて玄関の引き……

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スサノオの姫、その縁の地

奥出雲の地、船通山はスサノオが降り立ったところと伝わる。だとすれば、やはりクシナダヒメもここに縁があるのだろうかと聞いてみると稲田姫が生まれたところがあると言う。そのクシナダヒメを産んだのは誰かと言えば、アシナヅチとテナヅチの夫婦である。クシナダヒメが産声を上げた時に、そのへその……

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出雲人の律儀さ伝える蔵の美術館

出雲大社で神門通りの坂を上がって勢溜から西へ車がすれ違えるかどうか心配になるような細い脇道「神迎えの道」を不安をよそにずんずん進むと、この「いずもる」でも紹介している、やきそばの「きんぐ」がある。そのすぐ向こう左手が蔵の美術館「手錢(てぜん)記念館」である。歩いて来たならば、駐車……

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緑と光の交わる銀山のカフェ

 石見銀山の修復・修景された板壁と赤瓦の町並みを目の奥に映しながら、龍源寺間歩のある町の奥部に向かって歩く。人が手をつないで通せんぼできるほどの幅しかない道は、徐々に、ほんの徐々にだが上り坂になっていて、時おりレンタサイクルが風に乗って山から緑の香りをしょって下って来る。この緑を……

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宍道湖の湖底に鳥居があるって、ホント?

 このタイトルの不思議な話が伝わるのは、松江しんじ湖温泉駅からローカル線の一畑電鉄に乗って7番目の駅となる津ノ森駅のすぐそばにある神社である。宍道湖の湖面を眺めながら津ノ森駅のアナウンスを聞いてプラットフォームに降り立ったら、宍道湖の方を向いて左手方向を眺めれば、そこに、小ぢんま……

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大国主の正妻スセリヒメ

 オオクニヌシが鎮座する出雲大社から、ほぼ真南へ10キロメートルの東神西(ひがしじんざい)という地域に、史跡 岩坪入口と刻まれた大きな石碑がある。さらにそこには、須勢理姫命生誕伝説の地、なめさの郷地名発祥の地とある。石碑から200メートルほど車を進めると、石で作られた小さな社が……

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オオクニヌシとスクナビコナの住まい(1)

 波の彼方より天乃羅摩船(アメノカガミノフネ)に乗ったスクナビコナが海を渡って来て、これを見つけたオオクニヌシが、スクナビコナと手を取り合って国作りがなされたと古事記は伝える。このアメノカガミノフネとは、ガガイモの実と言われている。長さ10センチほどで先の尖ったガガイモの実は二つ……

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金のニワトリをあやつる、鷲尾猛!

 その昔、金の鶏を使って住民を苦しめていた鷲尾猛(わしおのたける)という邪神が住んでいた岩窟のある八重山(やえやま)、この邪神は霞霧に乗り神通力を発した。その八重山は入間(いるま)と呼ばれる場所にあるが、伝えによればその昔は入魔とも書いたと聞く。なんともおどろおどろしい物語があり……

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天下の奇勝に恋物語

 鬼の舌震(したぶるい)。なんとも怖そうな名前であるが、それもそのはず、奥出雲町の斐伊川の支流である大馬木川(おおまきがわ)に展開する奇岩、断崖で埋め尽くされた天下の奇勝であり、名勝地である。紅葉や新緑の景勝地として、老若男女の訪れ、国の名勝・天然記念物と散策ガイドマップにある。……

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オオクニヌシの琴の音は?

 オオクニヌシが琴を弾いたといわれる場所がある。島根県東部の中国山地にある琴引山(ことびきやま)がそれである。『出雲国風土記』に、古老の言い伝えとして、「この山の峰に岩屋があり、その中に、オオクニヌシの御琴(みこと)がある。長さ七尺(約2m)・広さ三尺(約89cm)・厚さ一尺五寸……

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神々が立ち去る磐座

 万九千社(まくせのやしろ)は、出雲の地で行われる神在祭に因む場所である。それも神々が寄り来るのではなく、去って行く場所としてよく知られているのである。万九千社のすぐ近くを流れる斐伊川(ひいかわ)は、スサノオがヤマタノオロチを退治した川の下流にあたり、退治の際にはヤマタノオロチの……

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大社の正月行事 かめやまとんど

みぞれ雪の降る2015年1月12日朝、歴博と出雲大社の間にある かめやま広場で、とんど祭が行われました。

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出雲の源流?

 出雲大社の古伝神嘗祭などで用いられている供物を調える火は、人が手で起こした神火だという。このため出雲大社の使いの者が、火を起こす道具である燧臼(ひきりうす)と燧杵(ひきりきね)を頂きに、ここ熊野大社に餅を持参して行われる神事がある。そこでは、持参した餅を前に、熊野大社の亀太夫と……

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しめ縄も狛犬もない神社

 命の降臨の聖地として注連縄を用いず、境内には他の見られるような摂社、末社は勿論、随神門、燈篭、狛犬もなく…と解説する説明板の前に立って、そうなのかと思い当たる事がある。この場所に辿り着くまでに神社の名前を示した案内板が無いのである。最近の道路標識は観光地なども示してくれるのだが……

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七分づきのうどん

 出雲大社正門から神迎え神事の行われる稲佐の浜に向かう道を「神迎えの道」と呼ぶ。木製の鳥居がある勢溜から神迎えの道を浜へ向かって600メートルほど下って行くと、うどんの暖簾が風にたなびいている。「出雲そばの聖地でうどんなんだ」と、つい思ってしまう。綺麗に手入れされた二階建ての古民……

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鶴に乗って舞い降りた祭神

 島根県大田市に標高1,126メートルの三瓶山がある。火山である。『出雲国風土記』の国引き神話では、「国来、国来(くにこ、くにこ)」と引き寄せた土地が再び離れて行かないように、国引きした大綱をつなぐための杭を打った。それが佐比売山 (今の三瓶山)なのである。この三瓶の地名にかかわ……

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山から滲み出る水の恵み

 ゴーゴーと勢い良く流れる水の音が足元の水路から聞こえてくる。ここは、大田市多根の小豆原口バス停の前。そのバス停から目と鼻の先に佐比賣山(さひめやま)神社がある。『出雲国風土記』の冒頭の国引き神話では、「国来、国来(くにこ、くにこ)」と引き寄せた土地が再び離れて行かないようにと、……

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三瓶山の八宮とは

 前回は佐比売山神社、前々回は物部神社。今回はその2回の続き。物部神社には一瓶社がある。これは、三瓶山の昔話に、大きな地震で山が崩れ、3つの瓶(かめ) が飛び出したので三瓶山と呼ばれるようになったと山名由来として紹介されるものの一つである。その一瓶は物部神社、二瓶は浮布の池にある……

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三瓶山は出雲国風土記では佐比賣山

 三瓶山は主峰・男三瓶(1126m)をはじめ、女三瓶(957m)、子三瓶(961m)、孫三瓶(907m)、太平山(854m)の峰が連なって、室の内と呼ばれる火口を囲んで環状に並んでいる。中央部には直径約4.5kmのカルデラがあり、その中にはいくつかの溶岩ドームと室の内池と呼ばれる……

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稲佐の浜

 国譲り神話の舞台として有名なこの場所は、「伊那佐の小濱」(『古事記』)「五十田狭の小汀」(『日本書紀』)として出てくる。しかし、『出雲国風土記』には、稲佐の浜の記載は無い。『出雲国風土記』では、国引きを行った綱の跡が「薗の長濱」だとしており、稲佐の浜は地名としは見えないもののこ……

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鷺浦のギャラリーしわく屋

 およそ60年に一度の遷宮の後も多くの参拝者で賑わう出雲大社。その本殿と神楽殿の間を、素鵞(そが)川という小さな川に沿って自家用車が通れるほどの細い道が奥の山の方に向かっている。初夏にはホタルも飛ぶと言うから水が綺麗なのだろう。参拝者に気をつけながらその道を進んでいくと、すぐに坂……

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必ず雫(あめふ)らしたまう石神

 決して平坦とはいえない細い山道を息を弾ませながら40分ほど登って行くと道の周りも平らになった場所に着く。ここが『出雲国風土記』に記された四つのカンナビ(神名樋)山の一つに比定されている大船山(おおふなやま)の山頂である。「神名樋」の意味は神と山は文字通りの意で、「なび」は「籠も……

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山を祀る宇夜里の巨石

 『出雲国風土記』に宇夜里(うやのさと)と呼ばれる地が登場する。出雲郡の健部郷(たけるべのさと)の話であるが、『出雲国風土記参究』を書いた加藤義成さんは「この郷を古くは宇夜里といっていたが、その名の由来は、宇夜都弁命(ウヤツベノミコト)という神がこの郷の山に峰に天から降られ、この……

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樹林が神社だった光る山

 『出雲国風土記』には、所造天下大神(オオクニヌシ)が宍道郷(松江市宍道町)で猪を追い、二頭の猪と猟犬が石と化した話が載っているが、その御子であるワカフツヌシも猪を追った。場所は宍道郷から宍道湖をはさんだちょうど対岸となる大野郷(松江市大野町及びその周辺)である。そのワカフツヌシ……

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出雲うどんには出雲おろち大根

 この「大社の町を楽しもう」のコーナーでうどんを紹介するのは「7分づきのうどん」の小望月さんについで二度目。小望月さんが「やりかたは違うようなんだけど、あそこも黒いうどんを出されてますよ。」と推薦されたお店がここ山太(さんた)である。橙色ののぼり旗に出雲うどんの文字がときおり吹く……

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神名火山の磐座

 『出雲国風土記』の出雲郡に神名火山(かんなびやま)があって、曽伎能夜社(そきのやのやしろ)に祀られている伎比佐加美高日子命(キヒサカミタカヒコノミコト)の社がこの山の嶺にある、だから神名火山という、と記されている。神名火山は今の仏経山に比定されており、標高366メートルの山頂に……

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風に吹かれて雪のように降った白砂

「南は入海である。春は鯔魚(なよし:ボラ)、須受枳(すずき)、鎮仁(ちに:チヌ)、■鰕(えび)など大小さまざまな魚がいる。北は大海(日本海)である。 恵曇浜(えともはま)。広さは二里一百八十歩ある。」これは、『出雲国風土記』に載る秋鹿郡の海岸部や松江市鹿島町恵曇の様子である。その……

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大国主神に由来する六神山

 出雲市の朝山は、以前この「いずもる」で「大国主が、来る日も来る日も通ったヒメ!?」として、大国主(大穴持)の愛の遍歴ぶりを書いたことのある場所である。そこに六神山(ろくしんざん)とか五山(ござん)とか呼ばれる山々があるというので、神戸川(かんどがわ)が山地から平野部に流れ出る口……

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疱瘡の守護神日本第一也

 みなさんは疱瘡(ほうそう)という病気をご存知だろうか。天然痘とも言われる伝染病で感染力が高く、致死率も高い恐ろしい病気であった。国立感染症研究所の解説には「明治年間に、2〜7 万人程度の患者数の流行(死亡者数5,000〜2万人)が6回発生している。」とある。こうした恐ろしい疱瘡……

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伝説の打ち寄せる赤浦海岸

 ザザーン、ザザーンと寄せ来る日本海の波が砕けて広がる白い泡ぶくの中からラグビーボール大の赤い石がゴロゴロと現れる。ここは赤浦と呼ばれる島根半島の中央部に位置する海岸である。晴れ渡った青空のもと、海にはいくつかの島が見え、この日はお坊さんを始め、多数のみなさんが波の音に耳を傾けな……

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オオクニヌシの最初の登場シーン

 『古事記』・『日本書紀』に記された国譲り神話はとても有名であり、そこではオオクニヌシが皇孫に自ら国作りを行った地をそっくりそのまま譲る話であった。しかし、『出雲国風土記』では、オオクニヌシ(オオナモチ)は「八雲立つ出雲国は、青々した山を垣根としてめぐらせ、玉を置いて守る。」と言……

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踏んで汲んで四十二浦巡り

 並みの打ち寄せる浜辺を歩いていて貝拾いをすることはあると思うが、生乾きの海藻をつまみあげてそっと波にゆすって、海水のしたたる海藻を手にすぐそばの神社に向かう人々がいた。彼らは鳥居をくぐる時、手にした海藻をくるりと回して一礼して境内へ踏み入り、拝殿に着くと、ここでも海藻をくるっと……

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スサノヲを呼び寄せた多賀明神

 本殿の屋根に木に彫られた顔の面が6つも取り付けられており、どこか彼方を見つめている。他では見られない景色をもった多賀神社。これらの面は祀られている六神の顔を彫ったものだという。それぞれに風格を感じさせる顔となっており、当然のことながら主祭神のスサノヲはどの面であろうと思ったりす……

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武蔵坊弁慶の生誕伝説

 牛若丸と弁慶をご存知だろうか。牛若丸とは若き日の源義経のことである。大男の弁慶のぶんと振るう薙刀の鋭い切っ先をひらりと飛んで交わす牛若丸。その牛若丸に降参した弁慶は後に、義経が兄の源頼朝に追われて、奥州にて多くの敵に囲まれた時、義経を守って雨のように降る矢を一身に受けて立ったま……

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雑貨の妖精の隠れるpual tytto

 pualは飼っている犬の名前。tyttoはフランス語で女の子。7年前に妄想で始まった雑貨屋。その妄想のお店が2年後には4畳半ほどの広さをガソリンスタンドに間借りしてスタートした。それから2年が経ち、とうとう古民家の一角を改修して、温もりを感じるお店pual tytto(ピュアル……

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寝仏さん、キューピーさんの嵩山

 「いとしい人を待ちわびているものは誰しも、嵩山の頂上までお参りしようとする。この山は町のどこからでも見えるし、頂上にあがると昔の国が見渡せる。」これは小泉八雲が著書「心」に描いた嵩山の描写である。彼は明治24年の初夏に登ったといわれている。そのころもヤマユリが咲いていたのだろう……

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石神だらけの神名火山 仏経山

 以前、このいずもるの「神名火山の磐座」において、現在の曽枳能夜(そきのや)神社に祀られている伎比佐加美高日子命(きひさかみたかひこのみこと)が、かつて祀られていた仏経山中腹の磐座「伎比佐の岩」を紹介した。ところが、もう一つ別の伎比佐の岩があるという。

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電鉄出雲市駅

 一畑電車の電鉄出雲市駅は、JR出雲市駅の東側に隣り合っている。その一畑電車の駅を10メートルほど通り過ぎるとレンタサイクルがある。今回は電車には乗らずに、まずは自転車でGO! 高架になった線路に沿ってビルや家々を眺めながら東に向かうと、500メートルほどで緑の森と白く光る御影石……

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旅伏駅

 武志駅から電車に乗って旅伏駅に向かうと車内アナウンスが、川跡駅で大社行き、松江行きともにそれぞれ乗り換えで、旅伏駅に向かう松江行きは線路を渡って1番乗り場、大社行きは同じホームで2番乗り場と伝える。間もなく、乗っている電車は、他の色をした電車が2台並んで待つ川跡駅に滑り込んだ。……

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鮮やかな赤、白、黒のコントラスト

 出雲から西へ西へとやって来て海岸沿いから大田の市街地を南へ向かって抜けると、車窓の風景は山の緑に変わる。その山懐にある石見銀山の町は、江戸時代の風情を残す建物が数多く保存・修復され、赤瓦の古風な町並みが800メートルほど続いている。歩いていると白壁の建造物や、それとは対照的に黒……

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あれも、これも、それも逸品揃い

 黄金の国ジパングとは石見銀山を指していたとも・・・。大量に産出された石見銀山の銀は中国へと伝わって行ったと言われている。その銀を目指して、欧州から日本へ多くの外国船や文物がやって来た。望遠鏡、眼鏡、時計を始め医学や植物学の書籍なども。後の産業や学問が広がっていくきっかけを作った……

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烽のあった旅伏山

 『出雲国風土記』には5カ所の烽(とぶひ)があったと記されている。烽は緊急時に狼煙(のろし)を上げて急を伝える施設である。その一つ多夫志烽(たぶしのとぶひ)が出雲市の北に連なる山々の東端にある旅伏山(たぶしさん)にあったというので、登ってみることにした。標高456メートルの旅伏山……

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出雲の宝物「まがたま」

 出雲を象徴する物といえば勾玉(まがたま)を思い浮かべる人は多いだろう。出雲大社の神門通りや松江にある勾玉などを販売するストーンショップが若い女性に人気で、勾玉作り体験も盛況と聞く。『古事記』ではスサノオと姉のアマテラスがお互いの気持ちを確かめる誓約(うけい)の場面に、スサノオが……

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「創意工夫はお客様へ」先代の志

 風の噂で「とんでもなく大盛りの丼物を出す蕎麦屋」があると聞いたことがあった。検索すれば、大人の頭二人分もあろうかという器の画像。「島根にデカ盛りの店があるとは」と驚きの口コミ情報。この「そば酔譚」カテゴリーでは扱う代物ではないと「知らぬ顔の半平衛」を決め込んでいた。が、しかしで……

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「ご縁」が育くむ蕎麦に新たな予感

 出雲市役所と通りを挟んだ小洒落た佇まい。その景色は暖簾を出しながら打水する古都の一角を連想して心が弾む。  2015年創業は名だたる出雲蕎麦屋の立ち並ぶこの地にあって如何にも若い。が、短期間で名を上げた所以を探る興味がふつふつと湧き出し、不覚にも胃袋が蠕動(ぜんどう)を始める……

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国譲り、高天原からの使者

 波打ちぎわに夕日を背にした弁天島も美しい、ここ稲佐の浜は、『古事記』の「国譲り神話」において、オオクニヌシが高天原からの来臨したタケミカヅチに、国を譲る代わりに宮を建ててもらいたいと伝えたとされる場所である。そのタケミカヅチが稲佐の浜に近い因佐(いなさ)神社に祀られているという……

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縄を手繰る姉妹神

安来節で有名な安来市の南方に広島県と堺を接する山々が連なっている。そのあたりに牛馬の神を祀る縄久利神社がある。世界で一番美しい庭園と称される足立美術館を過ぎ、戦国時代に毛利元就と中国地方の覇権を競った尼子一族の居城があった月山富田城を見上げながら、南をめざす。行き着いた山奥の比田……

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高浜駅

 自転車とともに、川跡駅の2番ホームに停まっている出雲大社前駅行き一畑電車に乗り込む。この日は4月中旬の日曜日で、松江から来た2両連結の電車はほぼ満席。車窓からは田おこしされた田んぼがいくつも見えて、早くも水が張られた田もあった。もうすぐ高浜駅という線路沿いに一畑電車が2両あった……

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遙堪駅

 前回の続きとして、おたれの滝の次から始めたいのだが、その前に高浜駅の次にある遙堪駅の近くの特別なスポットを紹介しておきたい。  遙堪駅に向かう車窓の南側に、赤い鳥居の並ぶところが目に飛び込んで来る。そこは粟津いなりとも呼ばれる稻生(いなり)神社である。参道に並ぶ20基の赤い鳥……

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出雲民藝館

 民藝の創始者の一人であり陶芸家として知られる河井寛次郎が、出雲の町で乗っていたタクシーを慌てて止めて飛び降り、そこにあった火鉢を手に取って、今までにない喜びようを示し、「出雲びとに造詣の血というものが流れているならば、その出雲びとの造形の結晶であり、出雲の美しさの典型の一つだ。……

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美味しさを追求する自由

 「炭と薪で炙るグリル料理がメインなんです」、と言いながら撮影に出て来たのはリーフサラダと和牛のほほ肉赤ワイン煮である。「なにか炙った料理が良かったですかねえ」、と店主は口にしたが、細かいことなど頓着しない自由。ここは、出雲大社の勢溜(せいだまり)から神門通りを50メートルほど下……

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姫原の石神さん

『日本書紀』の国譲り神話には、出雲大社に近い稲佐の浜に降り立ったタケミカヅチとフツヌシの二神が、オオクニヌシと国譲りの交渉をするシーンある。その二神に先立って国譲りの交渉に天下った神々がいた。アマテラスの命を受けて最初に天下ったのはアメノホヒ。しかし、彼はオオクニヌシに従って3年……

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古志から来た技術集団の痕跡

『出雲国風土記』に「伊弉那彌命の時、日淵川に池を造った。ちょうどその頃、古志の国から人が来て堤を築いた。その時、彼らが宿としていたところである。だから古志と地名が付いた」という記述がある。『古事記』にはオオクニヌシが高志の国へ行きヌナカワヒメを娶ったという話があるが、これらなどか……

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大正モダンが今は無国籍カフェ

出雲大社の近くの路地を歩いていると、珍しい洋風の古い建物があって、昔は何に使われ、誰が住んでいたのだろうかと思っていた。それがある時、カフェになっていたのだ。 親しい人に美味しい店ができたからと誘っていただいて、もう日が暮れていたけれど、連れて行ってもらった。その洋風の建物には……

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稲佐の浜に近い奉納山

出雲大社から人気の稲佐の浜に向かう途中に奉納山という山がある。標高は73mといたって低い山であるが、ここからの眺望は絶景であるから、稲佐浜や日御碕に行くのであれば、ちょっと寄り道してみると良いと思う。出雲大社からやって来て、ゆるい坂を登り切って下り始め稲佐の浜が見えたぞってあたり……

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木綿街道の小さなレストラン

 朝日のまぶしい光が降って来る静かな白壁の通り木綿街道。出雲市平田町の古き香りを残す500メートルほどの通りには、今でも往時のにぎわいを感じさせる醤油を醸造している店が3軒もある上、造り酒屋も1軒あるのだ。それらに並んで300年前の製法で甘い「生姜糖」を生みだすお店も大きな木の看……

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みさきうみねこ海道を日御碕へ(1)

 出雲大社から日御碕へは、険しい海岸沿いのグネグネとした道、みさきうみねこ海道を行く。昔は稲佐の浜から因佐神社近くの観音霊場長谷寺の脇から山に入って、そのまま山伝いに歩いて日御碕へ行ったという。その道は中山道(なかやまどう)と呼ばれ、日御碕神社への参詣道でもあって、松江藩主が籠に……

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国譲りの神話のふるさとか

天石楯(あまのいわだて)。安来市にある岳山(だけさん)山頂付近まで登ったところにある嵩神社の右背後の高みに岩が見える。これが天石楯と伝っている。この楯を高天原から持ち降りられたのは布都怒志命(フツヌシノミコト)で、この地で楯を縫い直したところだから楯縫(たてぬい)という、と『出雲……

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みさきうみねこ海道を日御碕へ(2)

(1)のおゆう茶屋記念碑から西の海に目をやると、直線で100メートルほどのところに展望台が見える。その日御碕海岸展望台に行くと、右手遠くに稲佐の浜が見える。また正面遠方には、国引き神話にある陸を引いた綱を掛けた三瓶山、またその綱の跡と伝わる園の長浜の白い砂浜が、細長く緩やかに曲が……

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宇竜の和布刈(めかり)神事

冬の灰色の雲がどんよりと街を覆った2月の朝、冷たい雨交じりの強い西風が吹いている。こんな日に祭りはあるのだろうか。大社からみさきうみねこ海道を日御碕に向かっている。今日は日御碕神社の和布刈(めかり)神事の日なのだ。一般に知られている和布刈神事は、午後から日御碕地区の隣の宇竜地区で……

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炊きたてで占い神事

出雲地方の東、中海の南に面する安来市の穀倉地帯、能義平野。空から冷たい雨のそぼ降る3月10日。数羽のコハクチョウが水を張った田んぼに浮いている。若い白鳥が多いようだから、きっと北帰行の最終組なのだろう。この白鳥の飛来する田んぼのお米は、湖北白鳥米としてブランド化されている。そんな……

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珍しい一つ物の神事

島根半島の東部にある千酌(ちくみ)という地区で、流鏑馬の神事があるというので、勇壮な馬の疾駆が見られると思い行ってみた。祭りは、奉幣を振る行列が悪魔を払い、安全と豊作大漁を祈願して村内を歩き、神事の終わりには馬に乗った騎射が3つの的に矢を射た。しかし、流鏑馬の馬は観衆の取り囲む神……

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神の隠れこもる草山

『出雲国風土記』の意宇(おう)郡に登場する神名樋野(かむなびぬ)は、神の隠れこもる草山の意味という。東に松があり、他の三方には茅があると書かれており、茅はススキに代表される草だから、古代はかなり草むした山だったと思われる。しかし、古代の人々は、その山に神が籠っていると感じていたと……

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佐太大神ゆかりの神名火山

日本海に面した松江市鹿島町古浦とその南で宍道湖に面する松江市長江町の境にある朝日山(標高341メートル)は、『出雲国風土記』に記された四つの神名火山(かんなびやま)の一つに比定されている。『出雲国風土記』は、この秋鹿郡(あきかぐん)の神名火山のくだりに「いわゆる佐太大神の社は、そ……

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古式ゆかしい御田植祭り

7月の梅雨明け前の日曜日、三瓶山の東に続く青々とした山並みの中に、細く続く田んぼが山に接するあたりある鳥居をくぐって、鮮やかな衣装で太鼓を抱えた人たちが長い石段を上がって角井(つのい)八幡宮の境内にやってきた。若い女性も何人か居て、多くは絣(かすり)の着物に赤い襷(たすき)を掛け……

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威勢良く神輿を押し合う占い祭り

オセ!オセ!ヨーイ!オセー!神社の広い境内に大声があがっている。藍染の小紋の絣に真っ白な布をたすき掛けにした威勢の良い男衆がひしめき合っている。50人ほどは居るという男衆の塊、その中に重い白木の神輿が埋まっている。その神輿を神社の本殿と鳥居を結ぶ直線を境にして、右側へ押す力と左側……

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神様が沐浴した泉

『出雲国風土記』には、オオナモチ(オオクニヌシ)の息子のアヂスキタカヒコ(阿遅須枳高日子)命が、髭が長々と伸びる年齢になっても、昼も夜も泣いてばかりで言葉も通じなかった、とある。これは、『古事記』や『日本書紀』に登場する垂仁天皇の皇子であるホムチワケが、大人になって髭が胸先に達し……

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奇祭!ガッチ祭り

鳥居を出てくるやいなや「ホエー!」と大きな奇声をあげて襲いかかってくるガッチ。バシッ!と尻や腿を叩かれる。この日は、30発は叩かれただろうか。もう二度と行きたくはない。この「ガッチ祭り」は毎年10月23日に行われる松江市島根町野波の祭りである。ガッチの持つ藁の棒は「スッボ」と呼ば……

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数少ない青獅子舞とは

昭和も前半の生まれならば、獅子舞と聞いたら大体の方々は、赤い獅子の頭が家々をまわり、門前で囃子方の笛の音に合わせて舞って、中には家人の頭にかぶり付いて悪霊を祓うようなシーンを思い出すのではないだろうか。今回紹介するのは、そうしたものではなく、神社の祭礼として舞われている獅子舞であ……

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戦国最強の山城と評判

滑稽なドジョウすくい踊りで知られる安来節。その安来に富田という城下町がある。毎年鎧兜に身を包んだ大勢の尼子武者隊が城下町を行列する。尼子は、山口の大内義隆、広島の毛利元就と中国地方の覇を競った戦国時代の大大名であって、尼子十旗と呼ばれた勇壮な戦国武士達が活躍した。中でも「我に七難……

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出雲大社遷宮の神輿で作られた神社とは

先日、久しぶりに出雲大社に参拝した。今回は案内のガイドさん付きという初めての体験。説明を聞きながら回った中で、へえ、そうなんだと驚いたのが、本殿の東側の縁に小さな祠のような、神輿にしては簡潔な家型の物が置いてあるのだが、それが、遷宮の時に御神体を乗せた神輿だというのである。201……

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出雲大社の創建にかかわる場所とは

出雲大社の創建はいつだったのか。一般には、「国譲りした時でしょ。」とか良く言われるが、実は、これが多くの研究者が取り組んでいる難問であって、『古事記』『日本書紀』の国譲り神話には、出雲の国を譲る代わりに大きな御殿を立てることになったことは描かれているが、それが何時だったのかは書か……

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オオクニヌシ再生神話の女神

オオクニヌシは二度殺され、二度生き返る。そんな物語が『古事記』には描かれている。その一度目、オオクニヌシが兄神達と稲羽(いなば)の国のヤカミヒメに求婚に向かう旅の途中、オオクニヌシはサメに皮を剥がれた稲羽の素兎(しろうさぎ)を助けた有名な物語がある。まもなく、ヤカミヒメは多くの兄……

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マルカフェの愉しみ

地上約3メートル、古代出雲歴史博物館の広大な庭園を眺めながら、おいしい食事やコーヒーが味わえる場所がある。そこは、maru cafe(以後、マルカフェ)。博物館の2階、空中に浮かぶような空間で、古代出雲にタイムスリップしたかのようにゆったりと時間が流れます。

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海から遠く離れているのに海苔石?

海から遠く離れているのにもかかわらず、岩に海苔が生える伝説があるという。場所は、出雲市野石谷(のいしだに)というところである。出かけてみると、庄屋垣という屋号の家で、家の方が農作業の合間らしかったので、海苔の生える岩というものを探して来たのだと伝えると、家の裏に案内してもらい見せ……

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海につながる祭神たちかも?

大岩大明神と呼ばれた神社があるという。調べたら松江市にある生馬(いくま)神社らしいが、生馬神社は西東の2社があるという。とはいえまずは、大岩のあるという西の生馬神社に行ってみた。短い参道の前に立ったら、目前の鳥居の左手に大岩が飛び込んで来た。大岩大明神らしい景色である。ネットで見……

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神門水海は湿地から新田へ

出雲大社の東隣にそびえる弥山、標高506メートル。頂上から大社はもちろん出雲平野が広々と見渡せる。寛永15年(1638)頃、ここから足元の菱根地域を見下ろした人物、三木与兵衛がいた。湿地帯であった菱根地域に堀貫川を掘って灌漑し、江田、八島、浜、入南、菱根の五ヶ村と田畑を生み出した……

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ここにもカンナビ山が

山を御神体とする社があるというので、資料を探してみたら磐座の白黒写真が載っていた。さっそく磐座好きの友達を誘って雲南市木次町にある室山に向かった。近くには、国内でも有数の美味しいワインの里となった奥出雲葡萄園がある。その入り口を通りすぎ、釜石という伝説地も通り過ぎて、山を上がって……

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木綿街道のごはん屋棉の花

平田の木綿街道に、その昔、「外科御免屋敷」とも呼ばれた古い建物があった。長崎医家という江戸時代から明治時代に医院だったところだそうだ。そうした古い建物を平成18年に改修して、出雲市立の観光案内所「木綿街道交流館」としてオープンしたものという。道路に面した表は海鼠壁(なまこかべ)が……

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ここにもカンナビ山が(続編)

先に紹介した布須(ふす)神社と御室山(みむろやま)について、補足して紹介しておこうと思う。学説では、『延喜式』、『出雲国風土記』に載る布須神社は、同じ雲南市加茂町に鎮座する布須神社ともいわれている。また、『出雲国風土記』に載る御室山は、同じ雲南市大東町中湯石室谷の奥の山(標高47……

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名勝立久恵峡(上)

出雲平野を斐伊川とともに潤す神戸川の上流に、いくつもの急峻な岩山がそびえる立久恵峡がある。昔、その河辺に夜な夜な呼ぶ声があって光を放って、人々が奇異に思っていた。その場所に、高野山の浮窓律師が訪れた時、河中より背に光る薬師仏を負った亀が浮かびあがった。律師はその仏を岩窟のある岩山……

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名勝立久恵峡(下)

松江藩主の中でも茶道に長けて有名な松平治郷(不昧公)が藩主になる前、明和3年(1766)、16歳の時に立久恵峡を訪れ、彼より以後の歴代藩主が毎年、立久恵峡を訪れたと云う。この2年前の宝暦14年(1764、明和元年)の3月、松江藩家老の大野舎人が、松江藩主に学問を教えていた桃白鹿(……

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日本で最初の鬼の文字

鬼滅の刃というアニメが随分と人気を博して、世界へ進出した。親兄弟を人喰い鬼に殺されてしまった少年が主人公である。そんなこともあってか、ある時、図書館で「鬼の研究」という本を手に取った。すると、その中に鬼の文字が登場するのは、出雲国風土記が最初だというので、びっくりした。読み進める……

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木綿街道の大工小屋

平田の木綿街道に大工さんが店を開いたと聞いて木綿街道に向かった。醤油を使った美味しいアイス「醤油愛す」で有名な醤油屋の岡茂一郎商店の東隣に、玄関周りが真新しい白木の建物があった。よく見るとガラス戸の内側に白木の格子戸が並んでいた。筆描きされたWOOD WORKSの文字が並ぶガラス……

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古民家の天然酵母パン

そのパン屋は葡萄畑の中にあった。店は出雲市の中心部から出雲大社へ向かう途中にある浜町あたり、出雲国風土記の時代には、神門の水海(かんどのみずうみ)の岸辺に当たる場所で、砂の降り積もったなだらかな丘が続いている。この丘から北山にかけて広がっていた神門の水海が江戸時代の初めには広大な……

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山中に海、船の文字

松江市の南部にある東忌部町の忌部神社の横を過ぎて、さらに南に行くと才の峠(さいのだわ)というくねくねと曲がる峠を越える。峠から先は雲南市大東町となり、まもなく左手にはスサノヲが日本で最初の和歌を読んだ地として知られる須賀神社がある。そのまま進むと、松江の奥座敷と謳う海潮(うしお)……

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アヂスキタカヒコはどこに居たのか

『出雲国風土記』には、オオナムチ(オオクニヌシ)の息子のアヂスキタカヒコ(阿遅須枳高日子)命が、髭が長々と伸びる年齢になっても、昼も夜も泣いてばかりで言葉も通じなかった、とある。これは、『古事記』や『日本書紀』に登場する垂仁天皇の皇子であるホムチワケが、大人になって髭が胸先に達し……

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氏子が支える諸手船神事

「ずいぶんあちこちと旅行ばかりしているが、今までのところいちばん印象の強い、なつかしいところはどこだ、と聞かれれば、ためらうことなく私は、それは出雲の美保関だとこたえる。」これは、日本の民俗学をリードした和歌森太郎が『美保神社の研究』の序に記した言葉である。美保関の祭りについて聞……

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ヤマタノオロチ伝承(その1)

「その目は赤いホオヅキのようで、一つの身に八つの頭と尾があり、その身には苔やヒノキやスギなどが生え、長さは八つの谷と八つの峰に渡り、その腹を見れば常に血がしたたりただれている。」これは、『古事記』に載るヤマタノオロチの姿である。『日本書紀』にも、ほぼほぼ同様に描かれている。およそ……

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ヤマタノオロチ伝承(その2)

「八塩折(やしおり)の酒に酔いつぶれた大蛇を退治した須佐之男命は、この御立薮(おたてやぶ)で大蛇の尾を開いて宝剣を得られたが、その宝剣の上に怪しき雲があったので、「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」と名づけて天照大御神に献上になり、後、三種の神器の一つとして今も名古屋の熱田神宮……

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ヤマタノオロチ伝承(その3)

洪水を起こす斐伊川をさらに遡って行くと、八俣大蛇(やまたのおろち)公園なる場所があった。桜の名所として有名な木次土手の一角に、石で作られたヤマタノオロチの大きな頭部の彫像がデーンと座っている。スサノヲが高天原から降り立った時に、ここで川の上流から流れてきた箸を見つけて、上流に人が……

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ヤマタノオロチ伝承(その4)

木次の図書館で見つけた郷土誌の「案内誌〜自治会の記録〜」には、壺神さんの他にも、今まで聞いたこともないヤマタノオロチ伝説の地が三カ所も記載されていた。それは「はらかじ」「尾瀬(おのせ)」「座座舞(ざざまい)」の3カ所である。しかし、場所が分からない。そこで、気になっていた壺神せん……

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ヤマタノオロチ伝承(その5)

ヤマタノオロチが住んでいたという伝説のある天が淵(あまがふち)について、あるホームページには、『斐伊川上流、木次町と吉田町境にある「天が淵」はヤマタノオロチが住んでいたところといわれています。また、天が淵には、「蛇帯」と呼ばれる青と赤の筋になっている石があり、ヤマタノオロチの足跡……

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ヤマタノオロチ伝承(その6)

『天淵八叉大蛇記』にあるヤマタノオロチの姿、形については、「八つの頭、八つの尾があり、十六の角は、天にも届く枯れ木のごとし。十六の目は日月の輝くごとし。上下の牙は、剣を交えるがごとし。その息は、火炎の色のごとし。その舌は、紅(くれない)の袴(はかま)を速き瀬に流したごとし。その大……

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ヤマタノオロチ伝承(その7)

オロチの話がこんなに続くとは思っても見なかったが、その姿、形を求めてみると、その伝承地をこれだけ巡ってみても、結論めいた物語に行き当たらない。少し箸休めに、オロチ退治を巡る間に、スサノヲとイナダヒメの逸話もいくつかあったので、ここでそれを紹介してみようと思う。

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ヤマタノオロチ伝承(その8)

箸休めの続きである。テナヅチとアシナヅチが娘を挟んで泣いているところをスサノヲに尋ねられたところは、天が淵の近くではなく福竹と呼ばれる場所だという。地名の由来は、テナヅチ、アシナヅチが、ヤマタノオロチから逃れるために天が淵の背後にある万歳山からその北側の万昇峰を超えてやって来て、……

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ヤマタノオロチ伝承(その9)

この(その9)では、ヤマタノオロチについて伝承されている地域はどこなのか、はたまた何カ所ぐらいあるのだろう。と探索した報告となっている。これまで紹介した場所もあったが、まだまだ知らない場所もあった。図書館を巡り巡って行きついたのが、斐伊川をはじめ江川、太田川、四万十川など中国四国……

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ヤマタノオロチ伝承(その10)

前回の(その9)でヤマタノオロチに因む場所がとても多いことが分かったが、それでもまだ他にもヤマタノオロチに関わる場所があった。今回は、先の一覧には無かったヤマタノオロチの尾を祀った社を紹介する。それは現在の雲南市木次町平田にある尾原ダムの南側、下流500メートルほどのところに鎮座……

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ヤマタノオロチ伝承(その11)

ヤマタノオロチ退治の後に、イナタヒメと結ばれたスサノヲが、この山の山頂に居を構えて「我が心、須我須我(すがすが)しい」といったので「須我非山(すがひやま)」となったと伝わる。山は今、城山(じょうやま)と呼ばれ、山頂にはテレビ局の中継用アンテナの鉄塔が立っている。

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3本足のカラスを射るとは

島根半島の松江市美保関町に白砂の海水浴場で有名な北浦がある。その海岸風景は島根半島随一の絶景と思う。海水浴場の白砂が海に伸びてつながったような島があり、そこに伊奈頭美(いなずみ)神社が鎮座している。正月5日の午前10時前ごろ、冬の曇り空の下、夏とは打って変わった人気のない浜に地元……

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スサノヲの御子神

スサノヲには子どもといえる神々がいる。その一つはアマテラスとの間に誕生した神々である。姉神であるアマテラスと喧嘩になりそうになり、そんなことはしませんよと、行った誓(うけい)という儀式によるもので、アマテラスが身につけていた勾玉の飾りをスサノヲが噛み砕いて息を噴き出すと、五柱の男……

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星神まつる星上山に星の池

星上山(ほしかみさん)と言うロマンチックな名前の山が松江にある。頂上付近には星上山スターパークなる聞いただけで、泊まってみたくなるようなバンガローの宿泊施設があった。しかし今は朽ち果ててしまっているが、そこから稜線をたどって東へ向かうと星上寺(せいじょうじ)があり、 さらに那富乃……

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弥山(みせん)さんに登る(1)

大社に来たなら一度は登ってみてほしい山がある。出雲大社から東へ約1キロメートル、地元で弥山(みせん)さんと呼ばれて親しまれている弥山である。標高は506メートルと低いが眺望は絶景で、広い出雲平野から日本海が一望でき、そこに稲佐の浜、出雲大社、海と陸を分けて弓なりに伸びて、国引きの……

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弥山(みせん)さんに登る(2)

弥山と書いて、「みせん」と読む山は、その頂上にある巨石群があって有名な広島の宮島の弥山などが有名だけれど、この出雲の弥山の標高は506メートルで宮島の弥山よりわずか29メートル低いに過ぎない。人気のNHKの番組「にっぽん百低山」では、すでに宮島の弥山は紹介されたようだが、ぜひ出雲……

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弥山(みせん)さんに登る(3)

ここまで弥山の物語を書き連ねてきたが、弥山は神仏を祀るとともに麓に暮らす人々に恩恵を与えるような事が起きてきた場所であって、弥山が信仰され続けるもとになっている物語がもう一つある。それは、江戸時代末期のこと。弥山にあった権現様へ参拝登山した男がおり、足元に一株の草を見つけ、「珍し……

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遠くから出雲を遥拝(1)

大国主の御門(みと)がここところにあったので、三刀矢(みとや)という。今の雲南市三刀屋(みとや)町の地名由来が『出雲国風土記』に見える。この御門は、神門(かむど)郡の神門や仁多郡の神御門(かみのみと)と同じように神域への門、つまり鳥居と考えられるという。それも、遠く離れた出雲大社……

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遠くから出雲を遥拝(2)

三屋神社の由緒書というものが、地元で編纂された『一宮の今昔 給下編』に載っていた。そこには、「出雲国造の祖先の出雲臣や神門臣等が此地に大神を奉斎した神社を創建して、そのご神地を定め、神戸を置いて、大神の宮のご料を調進することとなったので、社号を大神の宮垣の御門と、その神戸とに因ん……

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オオクニヌシとスクナビコナの住まい(2)

「志都の岩屋は 弥山(みせん)のふもと のぼりくだりの けしきのよさは くぐり岩やら 千畳敷に 神代ながらの 風が吹く」。これは1964年の東京オリンピックの時に東京五輪音頭を作詞した宮田隆による「瑞穂(みずほ)のうた」の一節である。この志都の岩屋は、現在の邑南町岩屋地区にある。……

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古民家のチョコレート工場

出雲大社の参道入り口にあたる勢溜(せいだまり)から神門通りを下って、およそ100メートルのあたりに来ると、左手にゆるやかに下って行く道がある。馬場通り呼ばれるこの道をさらに100メートルほど歩を進めると、左側にガラス戸の並んだ大きな古民家がある。ここがチョコレート工場だと言われて……

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今も変わらぬCOFFEEの味わい

大社にはノアールという創業40年になろうとする喫茶店がある。神門通りの坂の一番上からおよそ400m下って行ったあたり、レンガ造りの外壁を持つ出雲商工会の前にある。大きな窓をくり抜いた上の白壁に、小さくCOFFEE ROOMとあって、丸みをおびた文字でノアールとある。木製の扉を開け……

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卑弥呼が贈った財宝かも

『出雲国風土記』に埋蔵金伝説のようなお話がある。大原郡神原郷に書かれている「大国主が神御財(かみのみたから)を積み置かれたところである。」というくだりである。風土記が書かれてから約1250年後の昭和47年、神御財ではないかというものが掘り出された。それは、『魏志倭人伝(ぎしわじん……

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出雲国の機織り発祥の地

歴代の朝廷に「麻布の機職として仕えこの地に住まいした一族によって創建されたと伝えられる」と島根県神社庁のホームページで紹介されていた幡屋神社(雲南市大東町)。社地は、宮内谷という地域で、小高い山を背にして神社はあった。鳥居の横にあった神社の由緒書からは、社地が移り変わったことや他……

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大社でみちくさする

地元で美味しいお好み焼き屋があるよ、と知人に紹介されたので行ってみた。場所は、神門通り交通広場有料駐車場の出入り口の北側角。ガラスの引き戸を開けて中に入ると「いらっしゃいませ」の声が響く。テーブル席について、メニューを開いて真っ先に目に入るのは、手打十割の割子そば。次のページが丼……

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レトロな宿「ゑびすや民営ホステル」

出雲大社の参道入り口の勢溜から神門通りを下って、300メートルほどのところにある路地の奥に「ゑびすや民営ホステル」という黒地に白い手書き文字の看板が見える。いつも気になっていた看板である。「ゑびすや」はホテルでも旅館でもなく、ユースホステルでもないようだが、ゲストハウスだろうか?……

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お似合いですよ!人力車

大社の風情ある町並みには人力車が似合う。明治時代や大正時代の大社の通りの写真を見ると、多いものでは8台もの人力車が分かる写真があって、中には山高帽のような黒い帽子を被った紳士が乗っている。明治23年(1890)にラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が大社に来た時も人力車で馬場通りを進……

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極細の出雲そば、ここにあり

神門通りの坂のてっぺんにある勢溜(せいだまり)から神門通りを見下ろして、左手に「おくに茶や」がある。建物は大きく寄棟(よせむね)造りで目立つが、その大半はストーンアクセサリーの「めのや大社店」が占めているので、おくに茶やという店があるとは気づきにくいのだが、引き戸を開けて暖簾をく……

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島根県立古代出雲歴史博物館で展示中

企画展名称
常設展示